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議会報告 川崎市政

負のスパイラル2017/03/09    

昨日(3月8日)の議会質問をご覧頂きました皆様、ありがとうございました。

質問のポイントは、生産年齢(15~64歳)人口が減少していくなかで、いかにして税収を増やし国民福利を充実させていくのか、そして、そのためにやるべきことは既に明白である、という点でした。

川崎市の人口推計では、生産年齢人口のピークは2025(平成37)年となっています。

しかし、生産年齢人口比率という概念でみると、本市は既にピークを過ぎております。

下のグラフのとおり、本市の生産年齢人口比率の推移をみますと、1993(平成5)年の76%をピークにして2014(平成26)年の段階で68%まで落ち込んでおり、いずれ毎年1%のスピードで減少していくことになるでしょう。

といって、「だから外国人労働者を入れよう…」とはならないのです。

外国人労働者を受け入れずとも、市民(日本国民)一人当たりの生産性を向上させることで経済を成長させることが充分に可能だからです。

GDPの三面等価の原則から、一人当たりの生産が増えると、それと同時に所得も増えることになります。

三面等価の原則とは、GDPが…
1) 生産の合計であり
2) 所得の合計であり
3) 支出の合計である
ということです。

つまり、一人当たりの生産(=所得)が増える市税収入も必ず増えるということです。

税金はGDPの量にほぼ比例するからです。

下のグラフは、市税収入と市内総生産(名目)の推移です。

市内総生産(名目)とは、即ち市内GDP(名目)のことです。

ご覧のとおり、これら二つはほぼ相関しております。

生産年齢人口が減っても、市内GDPが増えれば税収を増やすことができます。

では、生産年齢人口が減っていく中、どのようにすれば一人当たりの生産(=所得)を増やせるのか?

それが、インフラの充実です。

例えば、EUで独り勝ちしているドイツは、人口が日本よりも少ないのに、国民一人当たりのGDPは日本よりも高くなっています。

なぜかというと、ドイツは日本よりもインフラが充実しているからです。

要するに、川崎市の税収を増やしたかったら絶対にインフラを充実させなければならない、ということが明白なのであります。

なのに…「人口が減るからインフラはいらない」とか、「税収が足りないからインフラはいらない」とか、「税収が厳しいのだから、もっと支出をへらせー」とか、家計簿的な主張を繰り返す人たちがあとを絶たないので困っております。

行政が、デフレ期に財政規律を重視して支出を減らしてしまうと、世の中は余計にデフレ化します。

デフレ化とは、GDPが増えないことです。

繰り返しますが、GDPが増えないから税収が厳しくなっているのです。

税収が厳しい インフラを整備しない GDPが増えない 税収が厳しい

この負のスパイラルを一刻もはやく断ち切らねばなりません。

だいたい、地方交付税の不交付団体の川崎市が、そして政令市でもっとも「住民一人あたりの公的固定資本形成の少ない」川崎市が、財政規律に固執している場合でもなかろうに。

公的固定資本形成とは公共事業費から用地買収費を除いたものと思って頂ければ結構です。

『住民一人あたりの公的固定資本形成比率(%)』のグラフは、国や県の事業費も含まれた数値です。(2013年の数値ですが概ね毎年こんなものです)

要するに、川崎市民は他の政令市に比べ、インフラの充実度で損をしています。

また本市は、これまでインフラにおカネを支出してこなかったが為に、地方交付税の不交付団体になっているのです。

これらのグラフを見る限り、他の政令市は川崎市以上に国から効果的におカネを引き出しつつインフラ整備をしている、ということがわかります。

そんな川崎市で「財政規律がぁ~」と叫び、インフラ整備を否定する気が知れません。

もっと不思議なのは「俺の地元にはインフラをつくれぇ」と言いながら、一方で「財政規律がぁ~」と言う人です。

せめてどっちかにしてほしい…

もちろん、中央政府と違って通貨発行権を有しない地方自治体には一定の財政規律が求められます。

しかしそれは、単年度での収支バランスではなく、長期的なスパンでバランスさせればいい、という発想がなければ、このデフレ期においてインフラ整備なんてできようはずがありません。

デフレとは国民経済にとって有事なのです。

有事には有事の対策を講じる必要があります。

デフレから脱却したら、平時体制に戻せばいいのです。

本日は、川崎市議会「予算審査特別委員会」の最終日です。

きっと今日もまた、「財政規律がぁ~」というデフレ前提の家計簿論的な質問がなされることでしょう。

そう思うと朝っぱらから憂鬱です。