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議会報告 政治・経済

研究開発の重要性2017/03/04    

マサチューセッツ工科大学のマービン・ミンスキー教授は、「人工知能の父」と呼ばれるほどのコンピューター科学者として有名です。

マービン・ミンスキー教授は若かりしころ、当時はAT&Tの研究機関であった、あのベル研究所で一夏を過ごす機会を得たそうです。

AT&Tは、米国のNTTとでも思ってください。

教授は、そのベル研究所で「30年以内に成果が出るような研究には手をだすな」と繰り返し教え込まれたそうです。

例えば、1960年代のコンピューター開発が30年後にIT革命を引き起こしました。

また、20世紀初頭の原子力の開発が20世紀後半のエネルギー供給や危機に対応しました。

あるいは、東レの炭素繊維だって50年先を見据えた研究開発の賜物です。

研究開発とはそういうものだ…と言うのです。

今ある繁栄は、過去に為されてきた「長期を見据えた研究開発」の賜物なのです。

ところが今や、いわゆるグローバリズム経営によって、あるいはコーポレート・ガバナンスとか言って「2年以内に成果をだせ」という時代になってしまったことをマービン・ミンスキー教授は慨嘆されています。

それどころか「会社は株主のもの」という新自由主義(ネオリベ)思想の蔓延で、2年どころか「四半期で利益をだせ」という時代になっています。

1980年代にはじまったグローバリズム(ネオリベ経済)によって、人類はこの30年間にわたって、イノベーションの種を蒔く努力を怠ってきたわけです。

生産性研究の大家であるノースウェスタン大学のロバート・ゴードン教授は『成長の終焉』の中で、今や成長につながるイノベーションの種は尽きてしまった、と述べています。

あるいは元米国財務長官のローレンス・サマーズ氏が『長期停滞論』を唱え、世界の識者たちに衝撃を与えたことは有名です。

翻って、我が国の研究開発事情をみますと、名目GDPに占める研究開発費比率は僅かに増えているものの、ご承知のとおり我が国は名目GDPそのものが長期にわたるデフレによって増えていません。

イノベーションの種を蒔いてこなかったツケは、いずれ日本国民に回ってきます。

私ども現在の日本国民は先人が培ってきた研究開発の恩恵を受けているにも関わらず、未来の日本国民のために為すべき研究開発投資を怠っています。