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議会報告 政治・経済

一人当たりの労働生産性2017/03/02    

今朝の日本経済新聞の報道によれば、FRB(米連邦準備理事会)の高官たちから相次いで「利上げの可能性」についての発言がなされているようです。

『「3月米利上げ」急浮上
市場予測6割に FRB高官の言及相次ぐ
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO13560550S7A300C1EA1000/?n_cid=TPRN0001

米連邦準備理事会(FRB)高官が3月中旬の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げする可能性に相次ぎ言及し市場では金融引き締め観測が急速に高まっている。3日にはFRBのイエレン議長らが講演し早期利上げを示唆する可能性もある。トランプ米大統領の議会演説を通過して市場の関心は3月の利上げへと移っている。(後略)』

以前にも申し上げましたとおり、米国経済は概ね7~10年のスパンで定期的に後退局面を迎えています。

景気後退局面には、FRBは金利を下げることで景気の浮揚を図りたいわけです。

ところが、もうすでに金利はこれ以上に下げる余地がないほどに下がっていますので、次の後退局面に備え、今は少しでも金利を上げておきたいわけです。

前回の後退局面であったリーマン・ショックから今年で9年目になりますので、FRBに残された時間はあと僅かしかないのでしょう。

そうした中、たまたまトランプ米国大統領が官民合わせて約1兆ドルの公共インフラ投資を公約してくれたことに伴い、その期待感からか為替や株価が安定してきたこともあってFRBが利上げを決断する環境が整ってきたのではないでしょうか。

上のグラフのとおり、実体経済(実質GDP)の成長率をみると、それほど強い成長をしているように思えないのですが、下のグラフのとおり、1月のインフレ率は2.5%にまで回復しています。

おそらくこのことがFRBを強気にしている最大の要因ではないかと推察します。

れいのごとく、日本のエコノミストと言われる解説者たちは、「米国の金利高は日本の円安をもたらし、その円安が株価の上昇をもたらす」ので、「株価の見通しは明るい」と喜んでいます。

もしFRBの利上げで本格的にドル高が進めば、いわゆる「巻き戻し」が起こって円高が進む可能性もあります。

「巻き戻し」とは、金利の安い日本(円)でおカネを借り、それをドルに両替して新興国等に投資している人たちが、一斉に資金を回収して日本円に両替しようとする動きのことです。

ドル高によって新興国から資金が引き上げられるようなことになると、必ずこの「巻き戻し」が起こります。

そうするとドル高と円高が同時に進行する可能性も十分にあります。

株屋系エコノミストの皆様が言うほど、話しはそう簡単なものではないと思います。

それよりも問題は実体経済です。

我が国は生産年齢(15~64歳)人口が減少していく、超人手不足時代を迎えようとしています。

これを外国人労働者を受け入れることなく、生産性の向上で克服することこそが国家の命運を決めることになります。

下のグラフは、主要7カ国の一人当たりの労働生産性を比較したものです。

ご覧のとおり、G7で日本が一番低くなっています。

これを改善するには、国内における各種の投資が必要です。

誤解を恐れずに言えば、株価を押し上げることよりも、各種の投資によって生産性の向上を図っていくことのほうが日本国にとってはるかに重要です。

生産性が向上し、日本企業の利益と日本国民の所得が増えていけば、海外投資家の力を借りずとも自然に株価は上昇していきます。