〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 政治・経済

トランプとレーガンの違い2017/02/28    

今朝、いつものように経済番組を観ていましたら、とあるコメンテーターがトランプ米国大統領の政策に関して「減税や軍事費の拡大など、トランプ氏のやろうとしている政策はレーガン元大統領のそれによく似ている」と言っていました。

発言者は金融経済の専門家らしいのですが、相変わらず何も見えていない人たちですね。

『軍事費6兆円増へ トランプ氏「歴史的拡大」
巨額インフラ投資にも言及

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM27H9K_X20C17A2FF8000/?dg=1

トランプ米大統領は27日、ホワイトハウスで州知事らと会談し、2018会計年度(17年10月~18年9月)予算案の概要を説明した。軍事費について「歴史的な拡大となる」とした。米メディアによると、軍事費は17年度の約1割にあたる540億ドル(約6兆円)増やす。トランプ氏は「米軍の再建」を掲げていた。「巨額のインフラ投資をする」とも述べた。(後略)』

減税して軍事費を拡大しさえすれば、レーガノミクスなのか…!?

1980年代に始まったサッチャーリズム、そしてレーガノミクスは、いずれも新古典派経済学に基づくグローバリズムの先駆けでした。

グローバリズムとは、国境を越えたヒト、モノ、カネの移動の自由を最大化するシステムのことです。

もっとわかりやすく言うと、グローバリズムとは「経済の地球市民思想」と言ってもいい。

この世界には国家も政府もいらない、できれば各国の通貨も廃止して世界共通通貨をつくるべき、と言ったところです。

グローバリズムによって利益を最大化できる主要プレーヤーは、グローバル企業であり、グローバル投資家と言われる人たちです。

因みに、1990年代に入ってたまたまソ連が自壊したものだから、サッチャーやレーガンの進めたグローバリズム(新古典派経済学)が冷戦に勝利した、という錯覚が世界に蔓延してしまいました。

このとき、社会主義経済に勝利した新古典派経済学こそが真の資本主義だ、という誤解が我が国のエコノミスト連中にも蔓延してしまったのです。

そのことが、現在の我が国に大いなる不幸をもたらしています。

一方、トランプ米国大統領がやろうとしていることは、明らかにレーガノミクスとは全く別のベクトルです。

何と言っても、グローバリズムによって疲弊した米国の立て直しを訴えたことで当選した大統領なのですから。

ポイントは、レーガン時代の米国は西側諸国の覇者として冷戦を戦い、覇権国としての確固たる意志を国家として有していたことです。

しかし、今や米国は覇権国としての意志と能力を喪失しています。

皮肉にも30年間におよぶ新古典派経済学に基づくグローバリズムが、米国をして「世界の覇権国」から「地域の覇権国」へと変質せしめようとしているのです。

衰退する覇権国家が必ずとる道は、世界への関与をできるだけ弱め、自国の力をできるだけ強化しようとすることです。

要するに、国家として内向きになる、ということです。

この一点が、トランプ政権とレーガン政権との決定的な相違点です。

これらの現実を直視したとき、世界の警察官を放棄した衰退する覇権国との同盟強化にいったい何の意味があるのか、という結論に至らなければならないのです。

もし、先述のコメンテーターが「トランプのやろうとしていることはレーガンの政策に似ているから、あの時みたいに日米同盟を再強化していけば日本はこれからもハッピーだ」と言いたいのなら、この人は全く何も見えていないということになります。

その何も見えていない政治家の一人が、安倍総理です。

米国の言う「日米同盟の強化」は、日本を封じ込めるための方便にすぎず、本気で日本の安全保障のことなど考えていない、という現実に気づこうともしない。

要するに、トランプ米国大統領は反グローバリズムであると同時に、反日本国でもあるということです。

ネオリベ親米保守の皆様…「トランプ政権がレーガンと同じことをやってくれるなら、日本でも株価が上がるかもしれない」などと喜んでいる場合じゃないんですよ。