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議会報告 政治・経済

乱高下する建設技能労働者の過不足率2017/02/27    

今さら何を言っているのでしょうか。

そんなことは予めわかりきっていたことなのに…

『企業の人手不足、建設や福祉、運輸で深刻
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO13361070U7A220C1TI1000/

企業の人手不足感は日増しに高まっている。帝国データバンクの人手不足に対する企業動向調査によると、正社員が不足していると回答した企業は2017年1月時点で43.9%と半年前から6ポイント上昇。水準も過去10年で最高を記録した。同社は「企業にとって人手不足の長期化は人件費上昇などコスト押し上げとなる」(産業調査部)と指摘する。(後略)』

人手不足が深刻化している「建設」「福祉」「運輸」、これらはいずれも国民生活の安全保障にかかわる重要分野です。

生産年齢(15~64歳)人口が減少する我が国では、ますます人手不足は深刻化していきます。

なぜなら、生産年齢人口の減少スピードが、GDP上の総需要を決める総人口のそれよりも早いからです。

そもそも「ニホンはシャッキンでハタンするぅ~」というインチキ理論に基づいて、散々に公共事業費を減らし続けてきたのですから、建設分野の供給能力が不安定化したのも当然でしょうに。

断っておきますが、私は別に「建設業就業者を永遠に増やし続けろ」と言っているのではありません。

世界屈指の自然災害大国の我が国が、防災安全保障を担う虎の子の存在たる建設業就業者及びその技術力を毀損し続けてどうするのか、と申しております。

今年、我が国は敗戦から72年目を迎えます。

幸いにして、昭和23(1948)年の福井地震以来、平成7(1995)年の阪神淡路大震災までの間、我が国は奇跡的に大震災に見舞われることがありませんでした。

このことは、戦後日本が平和を享受しつつ、驚くべき高度経済成長を成し遂げることができた大きな要因の一つでもあります。

戦後の平和と豊かさは、憲法9条のお陰などではありません。

様々な好条件が重なり合ってきたことで、偶然にも我が国は戦後の「強兵なき富国」を享受することができたのです。(注:もはやそれが不可能な時代に突入しています)

こうした安穏とした環境下に身をおいてきた日本国民は、自然災害大国の国民であるにもかかわらず、「防災」安全保障の重要性をも軽視するようになってしまった気がします。

まるで、これからも「強兵なき富国」を享受できる、という幻想の中にいるように。

因みに、建設技能労働者の直近の過不足率推移を見てみますと、下のグラフのとおりになります。

我が国の公的固定資本形成(公共事業費から用地費等を除いたもの)のピークは、平成8(1996)年でした。

一方、建設業就業者数のピークはその翌年の平成9(1997)年で、以降、激減していくことになります。

結果、グラフのとおり、平成17(2005)年ごろからは建設技能労働者の過不足率が乱高下するようになりました。

このような状態で、あと数年内にまちがいなく襲ってくるであろう首都直下型地震及び南海トラフ巨大地震に対し、充分なる対策をとることができるのでしょうか。

今後は、建設分野であろうが、福祉や運輸の分野であろうが、深刻な人手不足を①公共投資、②設備投資、③技術開発投資、④人材投資、これら4つの充分なる「投資」で克服していくほかありません。

まちがっても、外国人労働者の受け入れによる克服はありえない。