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議会報告 川崎市政

経済成長なくして福祉の充実なし2017/02/24    

先日、とある障碍者福祉関係の会合に出席させて頂きました。

会員の皆様はもちろんのこと、ほか複数の市議会議員とともに有意義な意見交換をさせて頂く機会を頂戴しました。

せっかくの機会でしたので、私もいくつかの意見を述べさせて頂きました。

例えば、地域包括ケアシステムは高齢者のみならず、あらゆる年代、あらゆる弱者の方々をも包括したものとして充実させていかなければならないこと。

また、昨今の地域包括ケアシステムの議論では、とかく在宅ケアへの期待感が高まり気味になっていますが、あくまでも自宅ケアと施設ケアのバランスを重視したものにしなければならないことなどを申し上げさせて頂きました。

それからもう一つ、肝心な予算(財源)についてですが…

予算や財源の問題については、多くの議員や国民の皆様が、ある硬直化した前提にたって議論をされていることが多々あります。

それは、国はもちろん川崎市等の地方行政においても顕著なのですが、とにかく日本経済は永久にデフレである、という前提です。

あるいは、これからも日本経済は全く成長しない、という前提です。

たいてい二言目には「厳しい財源の中で…」と言われる方が多いわけですが、厳しい財源事情が続いているのはデフレのためです。

デフレを克服して経済を成長させれば、自ずと財源は増えます。

これを前提にした議論と、日本経済が成長しないことを前提とした議論とでは大きな違いが生じます。

例えば私が大学を卒業して就職したとき、初任給は月給19万5千円でした。

ですが20年以上たった今現在においても、一般企業の平均初任給額は当時と比べてさほど変わっていません。

要するに、この20年間のあいだ、ほぼ日本経済が成長していないのです。

一方、例えば米国の名目GDPは、この20年間でほぼ3倍になっています。

グラフのとおり、その差は歴然としています。

ただ、米国もグローバリズムや労働分配率の問題で、その成長の果実が一般国民にまで行き渡っていません…(それはそれでまた別の問題、だからこそトランプ旋風が起こった)

さらに下のグラフをご覧ください。

障害・傷病分野社会保障費を対政府支出比率、また対GDP比率で外国と比較してみました。

グラフのとおり、米国は対政府支出比率においても、対GDP比率においても我が国を上回っています。

結局、日本はGDPの伸び率でも負け、対GDP比率でも米国に大きく差をつけられています。

要するに、我が国の福祉行政にかかわる政府支出が厳しいのは、その財源の源泉たる日本経済が全く成長していないからです。

デフレを克服し日本経済を安定成長にのせることさえできれば、今ほどに福祉財源の確保に苦労することもなくなるのです。

そういえば、その会合で某市議会議員が驚くような発言をされていました。

私が、日本の20年前の初任給と現在のそれにあまり差がない実状を指摘したとき、某市議会議員は「日本のGDPは成長しているのに、どうして給料が上がってないの?」と発言されたのです。

えっ~! この人なに言っちゃってんの…という感じでした。

上のグラフのとおり、1998年(デフレ突入)以降の我が国のGDP成長率の平均は、実質で0.75%、名目で0.05%です。

日本経済は実質、名目ともに成長していません。

グラフをみると実質よりも名目のほうが低くなっている年があります。

これは、デフレでモノやサービスの購入が増えず、インフレ率(GDPデフレーター)がマイナスになってしまったからです。

因みに、京都大学の柴山圭太先生による「資本主義」の定義は、一人当たりのGDPが長期にわたって1%以上成長しつづける経済のこと、だそうです。

もう一度言います。

実質成長率の平均が0.75%、名目で0.05%です。

この20年間、日本経済は成長していないんです。

だからといって、これからも成長しない、という前提ではダメなんです。

正しい現状認識なくして、正しい解決策はありません。

ところが先述の某市議会議員のように、成長していない経済を成長してきたと誤解し、その誤解前提「経済」がこれからも続くという前提でこれからの福祉行政を語ろうとする。

こういう手合いは、意外に多いです。