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議会報告 川崎市政

安全 vs 財政規律2017/02/22    

川崎市は、2013年4月に改定した備蓄計画(五ヵ年計画)を1年前倒しして改定します。

国の計画等の策定や、昨年(2016年)4月に発生した熊本地震への職員派遣から得られた課題等を踏まえて、食料及び資機材等の品目・数量の見直しを行うとのことです。

公的備蓄をより万全にするのは行政の使命ですので、それを強化されるのは誠に結構なことです。

計画は来年の4月にまでに策定され、翌5月以降に施行される予定です。

ただ、れいのごとくネオリベ行政特有財政均衡優先主義(財政的制約)なるものに阻まれて、結果としてプチ強化にならないように願うばかりです。

さて、2005年8月に、米国南東部を襲った大型ハリケーン「カトリーナ」をご記憶でしょうか。

ハリケーン・カトリーナによる被害は、
・ 推定死亡者数、1800人以上
・ 行方不明者、700人以上
・ 被害総額、約14兆円
…でした。

更には、約2万8,500人の被災者が避難していたヒューストンの野球場において感染性胃腸炎が集団発生してしまい、罹災から7日までの間に感染症で150人が隔離され4人が死亡するという2次被害もありました。

その後、連邦緊急事態管理庁(大災害に対応するための米国合衆国の政府機関)が誠に興味深い試算を発表しています。

試算によると、特に甚大な被害を受けたニューオリンズにおいて、もしも事前に2,200億円の防災投資を行っていれば、被害総額はゼロ、及び死亡者もゼロになっていた、というものです。

防災投資とは、まさに国土強靭化を目的とした公共インフラへの投資のことです。

即ち、公共インフラの投資こそが最大の防災対策なのです。

そこで、公共インフラに対しどれだけの投資をしてきたのかを示す指標が「公的固定資本形成」です。

我が国の公的固定資本形成の推移は下のグラフのとおりです。

1996年をピークにして、今や半減です。

世界有数の、というか世界一の(と言っていい)自然災害大国たる我が国の防災投資がこれでいいはずがありません。

先述のとおり、連邦緊急事態管理庁の試算ではニューオリンズへの2,200億円の防災投資によって、その被害総額14兆円が「ゼロ」になるわけですが、世の中には恐ろしい思想をもった人たちがいます。

きっとその人たちは言うでしょう。

「確かに2,200億円のおカネをかければ被害はゼロになるかもしれないけどぅ…もしかしたらハリケーンなんて来ないかもしれないじゃん…」と。

要するに彼らにとって、もしハリケーンが来なかったら2,200億円は無駄になるのだそうです。

日本にもいますよね、この種の人たち。

こうした論理は保険サービスの否定でもあります。

本気でそのように思っているのなら「自動車保険に入ったって、事故を起こさなかったら損するじゃん…」とか言って、自動車保険も生命保険も医療保険もすべて解約しろ。

詰まるところ、「安全」「財政規律」のどちらが大事なのか、という話しです。

ネオリベラリズムを信奉している人たちは「財政規律」を優先します。

このネオリベ思想が政治・行政のなかにも浸透しているから厄介なのです。

※ネオリベラリズム = 新自由主義
<以下、エントリー参照>
http://ryusuke-m.jp/2017/01/24/%E6%94%BF%E6%B2%BB%E3%83%BB%E7%B5%8C%E6%B8%88%E3%81%AB%E7%96%8E%E3%81%84%E7%B5%8C%E5%9B%A3%E9%80%A3/