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議会報告 川崎市政

早く克服しなければならない…2017/02/18    

正しい解決策を導きだすためには、正しい情報に基づく正しい思考が必要です。

間違った情報に基づいて、間違った思考を巡らせても、そこから導きだされる解決策は悉く悲惨なものです。

一見あたりまえのことですが、意外にも世の中には間違った情報と思考がひどく蔓延しています。

特に政治・行政の世界では顕著です。

例えば、川崎市には次のような間違った情報を垂れ流す人たちがいます。

それは「川崎市北部で成人喘息が増えているのは自動車排ガスのせいだ…」というものです。

この川崎市北部の大気状況について、私は何度となく議会質問で確認をとっています。

昨年(平成28年)の決算審査特別委員会でも「川崎北部は大気汚染による公害状態にあるのか」と質問したところ、「おおむね環境基準を満たしている」という環境局長からの答弁をもらっています。

それに『疾病統計』から全国的な傾向をみても明らかなように、成人喘息は一種の老化現象でもありますので、高齢者人口が増えている都市部において成人喘息患者数が増えているのは当然のことでもあります。

それに、多いか少ないかは比較の問題でもあります。

ここで正しい思考が求められます。

「比較」というものを正確に行うには、例えば川崎市北部と同様の年齢人口構成の地域をみつけ、その地域の喘息患者数をコントロール群として比較しないかぎり、多いか少ないかの証明はできないのです。

因みに、割り算の概念を正しく理解できないと、絶対値と相対値のちがいすら理解することもできません。

それから、彼らが引用している「そらプロジェクト」についてご説明します。

環境省は2005年度から5年間にわたり、自動車やトラックの排出ガスによる呼吸器への影響等を調べるために『そら(SORA)プロジェクト』という本格的な疫学調査を実施しました。

確か30億円以上もの予算をかけて行われた大規模な調査で、これ以上の本格的な疫学調査は不可能である、とさえ言われています。

この『そら(SORA)プロジェクト』では、大気汚染と喘息との関係について、成人群においては否定され、児童においては関連性ありとされましたがオッズ比のあまりの低さから、全体としては大気汚染と喘息との関係は否定されています。

ここがポイントで、「関連性がある = 喘息の原因」には必ずしもならないのです。

要するに、度合いの問題だからです。

正確を期すために『そら(SORA)プロジェクト』の児童の調査結果の部分をそのまま掲載します。

『予め十分に精査された適切なデザインによる十分な対象数を確保した疫学調査により収集されたデータに基づき解析した結果、EC及びNOx推計曝露量を指標とした自動車排出ガスへの曝露とぜん息発症との間に関連性が認められた。なお、曝露量推計などに起因する不確実性が残る点に留意が必要であるとともに、関連性の程度(大きさ)については、十分な科学性をもって確定づけることまでは現時点では難しい。』(『そら(SORA)プロジェクト』抜粋)

要するに、例えば0.0001%でも関連していれば「関連性あり」とするのが疫学調査なのです。

以上のように『そら(SORA)プロジェクト』で唯一、関連性ありとされた児童調査ですが、同時に連性の程度(大きさ)については科学性をもって確定づけることは困難だ」という結論に至っています。

ところが、この部分を捻じ曲げて、いつのまにか「川崎市北部で成人喘息が増えているのは自動車排ガスのせいだ…」と意図的に曲解してしまう人たちがいるのです。

現在、アレルギー性疾患分野における専門家たちの間では、喘息に対する正しい対策は、
①標準医療の普及
②正しい知識の普及
…だとされています。

川崎市の健康福祉局も、議会でそのように答弁しています。

さて、加えて許せないのは、こうした世を惑わす情報を垂れ流す人たちの会合に、「“票”めあて」で参加している国会議員、神奈川県議会議員、川崎市議会議員らがいることです。

なんと、その会合で「川崎は早く公害を克服しなければならない」という無知蒙昧な発言をしている県議会議員(元川崎市議会議員)すらいます。

冗談じゃない。

川崎の大気汚染問題は、昭和40年代にとっくに改善されていることを知らないのか。

例えば下のグラフのとおり、硫黄酸化物(SO2等)の汚染度をみますと、川崎市は昭和44年の段階ですでに他都市並みに改善しています。

更に下のグラフをご覧ください。

SPMに至っては、川崎市は横浜市や東京都区部よりも低い水準です。

もし川崎市が「今だに公害の街である」と言うのなら、お隣の横浜市だって東京都だって同じく公害の街ってことになるではないか。

例えば横浜市の市議会議員が「横浜市は早く公害を克服しなければならない」などと言うわけもなかろうに。

言っているのは川崎の議員だけです。

川崎市政は、未だこうした手合いの議員たちに汚染されています。

なので「早く克服しなければならない…」