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議会報告 川崎市政

「誤った巷の見解」との闘い2017/02/12    

当然のことながら、議員活動をしていると結構しんどいことが多々あります。

その一つが、「誤った巷の見解」との闘いです。

現在の日本における「誤った巷の見解」とは、「いま日本国も川崎市も借金が嵩んで大変だから財政支出は極力削減しなければいけない」という誤解です。

この種の人々の共通点は、「日本であろうが、川崎であろうが、常に経済はこれ以上成長しないことが前提」なのです。

こうした「誤った巷の見解」は、市民(国民)のみならず、行政機構の中にも深く浸透しているから厄介です。

前提が間違っているものだから、そこから導き出される解決策も当然のことながら間違います。

なので、まちづくり、教育、環境、経済政策、医療や介護や障碍者福祉などの福祉行政などなど課題が山積するなか、その政策は悉く歪みます。

結果、「おカネがないので行政サービスには限界があります」「だから市民の皆様、市民参加の機会を与えてあげるからなるべく自助と共助で解決してくださいね」という風潮が生まれました。

市民参加の機会を与えられて喜んでいるのは、日本を蝕む反日左翼市民だけ。

行政は行政で、公務員を批判することで選挙に当選してきた「小さな政府」思考のネオリベ首長さんが多いものだから、役所のヒトと予算はただただ削られるばかりで職員の仕事量は年々増えています。

因みに、下のグラフのとおり「ニホンはコウムインが多い」というのも「誤った巷の見解」の一つです。

市民の多くの皆さんは、区役所等の窓口職員の業務をみて「役所は楽なところ」と思っていらっしゃるかもしれませんが、窓口業務以外の職場、例えば本庁などでは毎日午後11時を過ぎても窓の明かりが灯されています。

いわゆる「電通のブラックな労働環境」が問題視されていますが、役所でもそれとさして変わらないような労働状態にある職員がいるのも事実です。

あまりにもデフレ経済が長引くと、役所だってブラック企業化していくのです。

「民間だってブラック化しているんだから、役所だってそうなって当然だろ」という公務員に対するルサンチマン(社会に対する鬱屈とした嫉妬心)が蔓延しているのもまた、まさにデフレの産物です。

皆さま、考えてみてくださいませ。

デフレでない時期、例えばバブル期時代には公務員批判なんてありませんでした。

あの頃はむしろ「あんな安い給料で公務員なんてやってられない」とさえ言われていた時代です。

そもそも対立軸は「民間  vs 公務員」ではありません。

本質は「デフレ継続  vs デフレ脱却」です。

残念ながら現在の日本では、その本質をついた対立軸がなかなか世に浸透していきません。

これらの諸悪の根源は「ニホンはクニのシャッキンでハタンする」というインチキ思想の蔓延です。

そのインチキ思想を巷に拡散しているのがマスコミで、代表例が日本経済新聞社です。

『国の借金、過去最高の1066兆円 16年末
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS10H55_Q7A210C1EE8000/

国の借金は膨らんでいる。2016年12月末の国債と借入金、政府短期証券の合計残高は1066兆4234億円で、前年から21兆8330億円増えて過去最高となった。17年1月1日時点の総務省の人口推計(1億2686万人、概算値)で単純計算すると国民1人当たり約840万円の借金を抱えていることになる。(後略)』

まず突っ込みをいれなければならないのは、記事では「クニシャッキン」としていますが、正しくは「政府負債」です。

政府の負債なので、政府の子会社である中央銀行がそれを引き受けることでグループ決算により相殺されます。

即ち、政府負債は消滅するのです。

現に、中央銀行たる日本銀行が量的緩和によって国債を買い取っていますので、政府負債は既に150兆円ちかくが消えています。

それが可能なのは、我が国の政府が国債(政府の借用証書)の100%を自国通貨建てで発行しているからです。

これが例えばドル建てだったら話しは別ですが…我が国はその100%が円建てなのです。

そういう事実を知らない人たちが、上のような記事を書いたり読んだりして世に「誤った巷の見解」をまき散らしています。

政府の国債発行が増えているのは、デフレで経済(名目GDP)が成長していないからです。

経済が成長していないから税収が減る。

税収が減るから、それを賄うための赤字国債発行が増えてきたのです。

では、どうして経済(名目GDP)が成長しないの?

デフレだからです。

では、どうすればデフレを克服できるの?

政府や行政が「投資需要」をつくってデフレギャップを埋めればいい。

デフレギャップが埋まれば経済は成長します。

今の日本は(川崎市も含めて)・・・

財政が厳しいから投資しない、投資しないから成長しない、成長しないから税収が増えない、税収が増えないから財政が厳しくなる、財政が厳しいから投資しない、という悪循環に陥っています。

もう一つ、「誤った巷の見解」があります。

「いずれ国民の貯蓄がなくなったら、日本は破綻する…」というものです。

先週も、全く同様のことを言っている人がいました。

でも、現実は逆ですよ。

確かに今、家計の貯蓄率(貯蓄額 ÷ 可処分所得)は減っていますが、それは政府(行政)や企業が投資を減らしているからです。

投資が増えれば、家計の貯蓄率も増えていきます。

下のグラフは投資(総固定資本形成)と家計貯蓄率の推移です。

総固定資本形成とは、公共投資 、民間設備投資、住宅投資の合計のこと。

まずは、デフレ期の推移・・・

ご覧のとおり、投資と家計貯蓄率は相関しています。

次いで、今度は高度経済成長期の投資と家計貯蓄率の推移です。

ご覧のとおりです。

要するに、家計の貯蓄が減っているから投資(財政支出)してはいけない、というのは間違い

投資(財政支出)しないから家計の貯蓄が増えないのです。

因みに、現在はデフレという需要不足状態ですので民間投資に期待するのは無理。

よって、政府(行政)こそが財政出動して投資需要をつくることが求められているのです。