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議会報告 政治・経済

ついに40%を超えた日銀の国債保有2017/02/09    

ついに、日本銀行の国債保有割合が40%を超えました。

日銀は、デフレ脱却を目的に民間金融機関から国債を購入することでおカネの発行量を増やしています。

いくら日銀でも、おカネを無担保で発行することはできませんので国債を担保にしています。

発行されたおカネは、民間金融機関が日銀にもっている当座預金(日銀当座預金)に積み上がっていきます。

この日銀当座預金残高と世の中に出回っている現金紙幣や硬貨を合わせてマネタリーベースと呼びます。

そのマネタリーベースの推移は下のグラフのとおりです。

2013年4月に黒田日銀による量的緩和(黒田バズーカ)がはじまりました。

以降、本年1月までの時点で286兆円増え、マネタリーベースは435兆円になりました。

ここで問題が2点。

まず、マネタリーベースを増やしたものの、民間金融機関の貸出しが増えていないこと…

次いで、政府が国債発行を抑制してきたので金融機関が保有する国債が枯渇しており、日銀による量的緩和(国債購入)のデッドラインが近づいていること…

…です。

『日銀の国債保有4割超す 米金利急上昇が誤算
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO12701460Y7A200C1EE8000/

日銀が長期金利の操作に苦しんでいる。トランプ米大統領の積極財政への思惑から金利上昇圧力がかかり、やむなく国債の大量購入を迫られた。日銀の国債保有割合は1月末時点で発行額全体の4割を突破。(後略)』

因みに、下のグラフは昨年9月末時点の「国債及び国庫短期証券の保有者別の割合」です。

トランプ米国政権が積極財政を表明しているため金融市場のマネーが米国に向かっている、と記事は伝えています。

すると必ず「金利上昇で国の借金が大変だぁ」と騒ぎ立てるスットコドッコイがいますので、一応申し上げます。

国債は固定金利ですので、いくら金利が変動しようと関係ありません。

さてそこで、現在の経済情勢を冷静に見極めますと…

1) 貸出しの増えない民間金融機関は運用資産として国債を求めています。

2) 量的緩和をしたい日銀もまた国債を求めています。

3) デフレ(需要不足)で苦しむ民間企業は需要(仕事)を求めています。

これら3つを同時に解決する方法があります。

政府が国債を発行して財政出動(需要創出)すること、です。

需要創出でデフレから脱却すると、民間企業の投資や消費の意欲が高まりますので民間金融機関の貸出しも増えていきます。

その時、量的緩和を終了すればいいだけの話です。

それから意外と知られていない事実ですが、日銀が購入した国債の元利金については政府に事実上の返済義務はありません。

政府が日銀に国債の元利金を支払っても、日銀は国庫納付金として政府にお返ししています。

日銀は政府の子会社ですので、統合政府というグループ決算によって相殺されてしまうのです。

要するに、日本銀行が40%の国債を保有したことで、その分、いわゆる「クニのシャッキン」(正しくは政府の負債)が消滅しているのです。

なので「日銀が40%の国債を保有しているから大変だぁ」という話ではなく、デフレが継続されたままに市場の国債が枯渇してしまっていること自体が問題なのです。

以上のことを踏まえますと、我が国に深刻な財政問題など存在していないことが解ります。

問題なのは財政ではなく、需要と国債の不足なのです。