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議会報告 川崎市政

デフレ前提で悲観するのはやめろ!2017/02/05    

日本総研が、保育所ニーズが2020年ごろまで増え続けるとの試算を発表しました。

『保育所、共働き増え20年まで需要増 日本総研試算
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF03H06_T00C17A2NN1000/

保育所に子どもを預けたい親は当分の間、増えそうだ。日本総合研究所が試算したところ、保育所ニーズは少なくとも2020年ごろまで増えるとの結果が出た。女性の就業率が上昇し、共働き世帯が増えるのが主因。子育て環境の整備を急ぐ必要がある。(後略)』

日本総研によれば、増える主因は「女性の就業率が上昇し共働き世帯が増えること」だそうです。

いつも思うのですが、この手の試算をする際、どうしてデフレ前提なのでしょうか?

そもそも保育所不足が社会問題化したのは、日本がデフレに突入してからのことです。

高度成長期にしてもバブル時代にしても、保育所不足などの問題は発生しませんでした。

私が1993年3月に大学を卒業して翌4月に入社したとき、初任給はたしか月額19万5千円でした。

調べてみて驚きましたが、未だその額(初任給)はほぼ変わっていないとのことです。

要するにデフレによって経済が成長していないのです。

経済が成長していないということは、国民の所得が総体として増えていない、ということです。

デフレで旦那さんの給与が伸びていかない、しかし家のローンや教育費等で出費はかさむ、そこでやむを得ずパートやアルバイトにでるなどして共働きを強いられている女性もきっと多いはずです。

もしデフレを克服したら、保育所ニーズは一定程度減少するのではないでしょうか。

我が国の行政やシンクタンクによるこの手の試算は常にデフレ、即ち日本経済は成長しない・・・が前提なのです。

これを私は「経済の自虐史観」と呼んでいます。

例えば一層の高齢化によって、今後、政府の社会保障費支出が増えていくことが予測されています。

といっても、せいぜい毎年1.2兆円程度(厚生労働省の試算)の伸びです。

なのに、これまた財務省あたりが、例のごとくデフレ前提で「だから大変だ! 消費税を上げさせろ!」とやってくるわけです。

しかしながら、日本経済がデフレという需要不足を克服して成長軌道にのせることができれば毎年1.2兆円の社会保障費の増額なんて取るに足らないことです。

仮にデフレ克服によって名目GDPを2%成長に乗せたとします。

税収弾性値を「3」と仮定すると、税収が6%増えることになります。(内閣官房参与の藤井聡先生は税収弾性値を3~4と試算されています)

現在の税収が約50兆円ですので、税収は当面、毎年3兆円増えていく計算になります。

社会保障費の毎年1.2兆円などなんてことはなく、お釣りがくるほどです。

よって、さっさと財政出動(需要創出)してデフレを克服すればいいだけなのに、やらない。

彼らは口では「デフレ克服が目的で金融緩和をやっています」なんて言っていますが、ちっとも財政出動しないものだからデフレを克服する気配さえない。

そこでトランプ大統領に「日本は金融緩和で為替操作(円安誘導)している」と茶々を入れられ困惑しています。

『疑う市場 焦る日銀 オペで長期金利乱高下、為替・株も動揺
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGF03H0E_T00C17A2EA2000/

長期金利を0%程度で安定させる日銀の金融緩和を巡って、3日の金融市場が一時、大混乱した。日銀が長期金利の上昇を抑えるために打った手が失望を呼び、国債の「無制限購入」という奥の手を繰り出す事態になった。トランプ米大統領による円安誘導批判の余波もあり、市場では「水鳥の羽音」にも驚くような動揺が続く恐れがある。(後略)』

2月3日、長期金利(10年物)が一時、およそ1年ぶりの高水準となる0.115%に上昇しました。

長期金利がそれ以上上昇しないように、日銀が「指し値買い入れ」(日銀が指定する利回りで国債を買い入れること)に踏み切るのではないかとみられていたようですが、蓋を開けてみれば、指し値買い入れでなく、通常の国債買い入れのみが行われたようです。

その金額は日銀が事前に示していた額よりも多かったものの、前回と同じに留まったため市場では驚きが広がったようです。

ご承知の通り、2月10、11日には日米首脳会談が控えています。

SMBC日興証券の森田長太郎氏は「トランプ氏がさらに日本の為替・金融政策をけん制すれば市場は再び動揺する」とみている、とのこと。

しかし、日銀が恐れるべきはトランプ大統領の発言ではなく、いずれくるであろう量的緩和デットラインではないでしょうか。

プライマリー・バランスがぁ~、とか言って政府が頑なに国債の発行を拒んでいるものだから、市場の国債が枯渇しています。

これは日銀が購入しようとする国債が枯渇している、ということです。

民間金融機関が保有する国債はあとわずかです。

といって、生損保が保有する国債を日銀が購入することは事実上不可能です。

もしそんなことをしたら生命保険会社や損害保険会社が長期資金の運用に窮することになりますので。

日銀が市場の期待に応えるほどの国債購入に及び腰にならざるをえない理由はそこにあるのではないでしょうか。

日銀がそれ以上、国債を購入できなくなったとき、というか「もう日銀が購入する国債はないでしょう」と市場が判断したとき、そこで量的緩和は事実上の終了となります。

デフレを克服できないままに量的緩和が終了すれば、まちがいなく長期金利は上昇します。

そして更なるデフレ化、および急激な円高によって日本経済は大混乱となることでしょう。

解は一つしかない・・・

政府が国債を発行し財政出動(需要創造)すること。