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議会報告 政治・経済

民、手足おくところなし2017/02/04    

昨日、麻生財務大臣がまたやらかしてくれました。

現在、日銀が行っている金融緩和政策について「円高を是正する(円安にする)ためのものだ」と発言したとのことです。

その後、慌てて財務省が「円高是正でなく、デフレ状況を是正するためのものです」と訂正した模様です。

『「金融政策、円高是正のため」 麻生氏、デフレと言い間違い
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS03H3G_T00C17A2EE8000/

麻生太郎財務相が3日の閣議後の記者会見で「円高による状況を是正するために金融政策を緩和した」と述べた。会見後すぐに財務省が「デフレ状況を是正するため」と発言を訂正した。言い間違いとはいえ、トランプ米大統領が日本を「通貨安誘導」と批判した直後だけに、それを認めたかのような発言は波紋を広げる可能性がある。(後略)』

記事をみると、日本経済新聞は「言い間違い」と言っていますが、「言い間違い」で済む話か!

ただでさえ、トランプ米国大統領から「日本は為替操作国だ」とケチをつけられているデリケートな時期だけに深刻なミステイクです。

訂正したところで、「本音では為替操作目的ではないか」と言われるだけです。

こうした国務大臣による軽率極まりない発言は、明らかに国益を損ねます。

少し補足説明させて頂きますが、周知のとおり、現在日銀は2%のインフレ目標を達成するために「量的緩和」を行っています。

厳密に言うと、日銀は「長短金利操作付き量的・質的緩和政策」という言い方をしていますが、あまり専門的な話しになると解りにくくなりますので、ここではざっくりと量的緩和としておきます。

具体的には、日銀が民間金融機関が保有している国債(政府の借用証書)を市場で購入します。

むろん、購入ですので「ただ」ではありません。

日銀はちゃんと対価を支払います。

どうやって?

日銀は、民間金融機関が日銀に設けている日銀当座預金の残高を増やすことで対価を支払っています。

なので日銀が市場から国債を購入すればするほどに民間金融機関の日銀当座預金残高が増えていきます。

この日銀当座預金も立派なおカネです。

民間金融機関の日銀当座預金が増えれば増えるほど、民間金融機関は貸出量を増やすことができる仕組みになっています。

このことでインフレ率を2%にまで押し上げよう、という寸法です。

ところが、どんなに日銀当座預金を拡大しても、一向に民間金融機関の貸出は増えず、インフレ率は上昇していません。

下のグラフのとおり、2013年3月に黒田氏が日銀総裁に就任して以来、日銀は量的緩和を進め飛躍的に日銀当座預金を積み上げてきました。

昨年の時点で、約280兆円にまで達しました。

現在は、324兆円(2017年2月2日現在)です。

先述のとおり、この民間金融機関の日銀当座預金も立派なおカネの一つです。

なのでおカネの量が増えれば、当然おカネの価値は下がります。

即ち円安です。

これをトランプ氏は「為替操作だ」と批判しています。(円安になると日本の輸出産業が有利になるから)

しかし財務省が訂正したように、その目的は円安でなくインフレ率2%の達成(デフレ脱却)です。

でも皆様、考えてみてください。

デフレって貨幣現象(おカネの量の問題)ではなく需要不足のことです。

日銀がどんなに国債を購入しておカネの量を増やしたところで、モノやサービスという付加価値が購入されなければインフレ率(物価)は上昇しません。

じゃあ、誰がモノやサービスを購入するの?

民間部門(企業や家計)はそれこそデフレで投資や消費、即ち需要する力がないので、このようなときこそ政府部門(中央政府や地方行政)が需要をつくるしかないでしょう。

即ち、財政出動です。

財務省は「デフレ脱却が目的だ」と言うのだったら、財政出動によって需要不足を埋めてデフレを脱却しろよ!・・・という話しです。

ところが、その財政出動を頑なに否定(抵抗)しているのが他でもない財務省なのです。

麻生大臣の低能軽率発言は問題外として・・・というか、この人たちはいったい何がしたいのでしょうか?

低能軽率発言で米国に「為替操作国だ」という言質を与え、デフレ脱却のための財政出動を妨げて、ひたすら国益を損ね続けている連中・・・

これをまともな政策論として批判できない野党。

まさに「民、手足を錯く所なし」(論語の一節)状態です。