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議会報告 政治・経済

エネルギー安全保障の基本は「多様化」2017/02/03    

昨年(2016年)の12月10日、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟の主要産油国は15年ぶりに協調減産で合意しました。

加盟国全体で日量120万バレル、非加盟国全体で日量60万バレル弱を減産し、世界生産の2%近くを削減することで原油市場の需給改善を図ろうじゃないか、という合意です。

要するに加盟国と非加盟国を合わせて日量約180万バレルの減産目標を立てたわけですが、その達成率83%とのことです。

そこで、我が国の原油輸入量をみますと、12月は1,781万kl(キロリットル)でした。

これは前年同月比でみると103%という数字で、6ヶ月ぶりに前年を上回ったことになります。

輸入量の多い順にみますと、
(1) サウジアラビア(703万kl、前年同月比122.8%)
(2) アラブ首長国連邦(415万kl、同107.2%)
(3) カタール(173万kl、同119.2%)
(4) イラン(121万kl、同140.7%)
(5) クウェート(87万kl、同54.9%)

となっています。

因みに、中東依存度は86.8%で、前年同月に比べ7.0ポイント増となり14ヶ月連続して前年を上回っています。

ご承知のとおり、2011年の福島第一原発の事故以来、我が国の火力発電依存は高まっています。

更に下のグラフのとおり、2013年の時点において我が国は化石エネルギー依存度の最も高い国になりました。

グラフのとおり、我が国は化石エネルギーの半分ちかくを石油に依存しています。

しかも先述のとおり、その90%近くがホルムズ海峡を経由してきます。

最も狭いところでは33.8㎞しかないホルムズ海峡は、連日、世界の原油生産量の約20%(1,700万バレル)が通過する重要な狭隘路です。

ある専門家は、原油供給の混乱が引き起こす経済的損失について次のような試算をしています。

供給が1%減少すると、世界の原油価格は8%上昇するであろう、と。

これを前提にすると、1日1,000万バレルの供給が滞ると、ホルムズ海峡を経由する原油の60%が輸出できなくなり、原油価格は約2倍に上昇します。

ホルムズ海峡を挟んで、国境断絶状態であるサウジアラビアとイランがにらみ合っています。

米国は既に覇権国としての力を喪失し、中東での軍事的関与を弱めようとしています。

更には、中東から我が国に向けて航行する原油タンカーは南シナ海や東シナ海を経由します。

その南シナ海も東シナ海も、今やシナの軍事的プレゼンスが高まりつつあります。(因みに、これを許しているのは日米同盟です)

このように、日本のエネルギー安全保障環境を鑑みれば経済産業省がメタンハイドレートの研究開発にようやく本腰を入れはじめたのも頷ける話ですが、時間的にも間に合わず、またメタンハイドレートだけで日本のあらゆるエネルギー安全保障を補うことも不可能です。

電力は、すべての産業の源泉です

その電力を、我が国は中東及び、マラッカ海峡、南シナ海、東シナ海などの海上輸送路(シーレーン)における自由航行に依存しています。

であるからこそ、今そこにある危機を痛感せずにはいられません。

何よりも重要なことは、一つのエネルギー、あるいは一つの供給元に依存しきらないことです。

エネルギー安全保障の基本は「多様化」なのです。

ところで本日、米国のマティス国防長官が来日します。

「狂犬の国防長官が来るぅ~」とか言って、日本のマスコミはいたずらに喧しく報道していますが、我が国の様々な安全保障を考えたとき、とにもかくにも既に米国様などあてにできない時代に突入していることを国民の総意とすべきです。

そういえば来月には、サウジアラビアの国王も46年ぶりに来日します。

サウジアラビアもまた、既にアメリカをあてにできない状況になっています。

今まさに、我が国には主体性ある外交とエネルギー政策が求められています。