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議会報告 政治・経済

ブレグジットで英国は困らない2017/01/23    

米国大統領の就任式を終えつつも、世界各地では反トランプ運動が起こるなどして実に混沌としているようですが、ブレグジット以来の世界的潮流だけは見誤ってはならないと思います。

「カネ、モノ、ヒトの国境を越えた移動の自由を最大化すれば、もはや国家はそれらを管理することはできないし、またする必要もない。むしろそのことが各国に経済的な繁栄をもたらし、国家間紛争も無意味なものになっていく」

これがグローバリズムの根源的な考え方であり、1980年代に英米からはじまり、1990年代に世界に普及したシステムです。

しかしこのシステムのもと、グローバル投資家グローバル企業は繁栄しましたが、残念ながら各国の国民経済は、特に先進国のネイティブ国民にとってはそうはなりませんでした。

とりわけ英国では、2004年以降に東欧諸国がEUに加盟したことから、低賃金労働である移民の大量流入という問題が顕著になって、2008年から5年間で実質賃金がなんと8%低下しました。

こうしたグローバリズムの行き詰まりが、昨年6月23日のブレグジットにつながったのです。

また、トランプ大統領の出現も、あるいは欧州各国における反グローバリズムを提唱する政党の大躍進も、まさにその延長線上に連なる現象です。

グローバリズムの揺り戻し、これこそがブレグジット以来の世界的潮流です。

当然のことながら、これまでグローバリズムによって経済的・社会的利益を享受してきた人々は、必死になってブレグジットやトランプ米国大統領を否定しています。

例えば彼らは、「EUを離脱した英国は孤立化し、経済的にも衰退していく」・・・などと言い出します。

バカも休み休み言え。

英国は「EUによって奪われていた国家としての主権をとりもどし、そのうえで世界各国と貿易等の経済的なお付き合いをしていこう」と言っているのであって、べつに「鎖国しよう・・・」などと言っているのではありません。

もともと英国は、EUに加盟する前から、そして加盟中に至っても経常収支赤字国です。

また、その赤字幅は拡大する一方でした。

次いで、英国と欧州主要国との輸出入額をみてみますと・・・

上のグラフを見てのとおり、アイルランド以外はすべて英国に対して黒字状態(輸出のほうが多い状態)です。

英国との貿易を断ち切られて困るのは、むしろドイツやオランダやフランスなどEU側のほうなのです。

なので当面、英国はEUのくびきを断って移民の流入などを制限しつつ、各国と個別に協定を結びながら貿易を行っていくことになろうかと思います。

輸出先を失って損をしたくないEU各国らが、そうした形で英国に妥協するようなことになると、ユーロ・グローバリズム体制はいよいよ本格的に瓦解していくことになるでしょう。

まさに世界は分岐点に立っています。