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議会報告 川崎市政

理解に苦しむタニタとの包括協定2017/01/22    

川崎市が、去る1月17日に健康計測機器メーカーの株式会社タニタと包括協定を締結しました。

『タニタが監修 川崎市と協定 来年5月から
http://mainichi.jp/articles/20170118/k00/00m/020/079000c

健康計測機器メーカーのタニタ(東京都板橋区)は17日、川崎市立中学全52校の給食を定期的に監修し、提供する協定を同市と結んだ。(後略)』

川崎市によれば、協定締結の目的は「両者がもつ資源や強みなどを生かし、中学校給食を契機として、生涯にわたって市民が健康に暮らせる社会の実現に向けた取り組みを連携・協力して推進すること」だそうです。

要するに、タニタ食堂で提供されている献立を川崎市の中学校給食の献立にしよう、ということのようです。

それだけじゃなんとも説得力がないので、教育委員会は「市の栄養士や教職員等が主体となって中学校での食育を進められるよう、教材を開発したり、教職員の研修を行ったり、あるいは市内の中学生と保護者向けの健康プログラムをつくったりもする」とか言ってます。

学校給食、大いに結構です。

市内経済がデフレで疲弊している今、給食事業におカネをかけてもらって大いに結構です。

しかしながら、このたび協定を締結した株式会社タニタにしても、過日、新たに設けられた給食センターの運営を受注した会社にしても、ともに東京(川崎市外)の事業者です。

川崎市外の事業者に支払われたおカネは、市内GDP(市内総生産)には換算されません。

私は、これまで川崎市議会で下のグラフを提示しながらくどいくらい何度も主張してきましたが、市税収入市内GDPに相関(比例)します。

グラフのとおり、市税収入と市内GDPは相関しています。

なので税収を増やしたかったら、市内GDPを拡大することです。

市内GDPが拡大すると、市内の企業や家計の所得も増えていきます。

これこそが市内経済の成長であり、持続可能な行財政運営の実現です。

では、どうやったら市内GDPは増えるのですか?

と、議会で訊いても、まともに答えられない。

残念ながら、これが現状です。

GDPは、誰かによって生産された「モノ」「サービス」を他の誰かが購入(需要)することで創出されます。

この、誰かによって生産された「モノ」や「サービス」のことを国民経済では「付加価値」といいます。

問題は、① 付加価値を誰が生産したか② その付加価値がちゃんと購入(需要)されたかです。

生産した付加価値が市外の事業者や個人によるものであった場合、市内GDPにはなりません

また、どんなに付加価値が生産されても、それを誰かが購入(需要)しないかぎり、GDPにはなりません

今回のように、川崎市役所が東京の事業者から付加価値を購入した場合、東京のGDPが拡大し、東京都の税収が増えるだけです。

川崎市内には、長引くデフレ経済で事業継続に支障がでている業者さんがたくさんおられます。

また、食品衛生協会加盟事業者や商店街など、市内には食というサービスを提供できる事業者がたくさん在られます。

学校給食事業を一括して受注できる規模の市内事業者が存在しないのであれば、公社をつくってでも地元事業者をオルガナイズすればいい

市内事業者は喜んで協力してくださるはずです。

それに、市内事業者に支払われたおカネは市内GDPになり、税収として川崎市に返ってきます

また、売上の上がった市内事業者が、次なる投資や消費を行っていくことで新たな市内GDPが生まれます。

これを市内GDPの拡大、即ちデフレ脱却といいます。

ある程度、軌道に乗って自立できるようになったら公社を民営化すればいい。

このように市内でおカネを回していくことが、今まさに求められている行政政策です。

そして何よりも、大切なのは実はおカネではありません。

より大切なのは、「付加価値」を生産するための「供給能力」です。

供給能力こそが経済力の虎の子なのです。

デフレが続くと、事業継続が困難になって廃業する事業者が増えていくことになります。

当然、それまで蓄積されてきた技術や技能やノウハウ、あるいは伝統や文化が市内から毀損することになります。

これを供給能力の低下、即ち経済力の低下といいます。

いや、発展途上国化といってもいい。

一旦失われた技術や技能は簡単には修復できません。

技術や技能やノウハウは蓄積そのものだからです。

タニタ食堂にしかつくることができない献立ってどんなものですか。

私の地元・多摩区には「美味しく栄養高き母の味」を提供してくださるお店がたくさん在ります。

こうした市内にある貴重な供給能力を毀損してまで、市外事業者の売り上げと東京都の税収を上げなければならない理由はどこにあるのでしょうか。

市外事業者に支払われるおカネの原資は、デフレで苦しむ市内事業者の支払う税金です。