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議会報告 政治・経済

TPPを「経済連携」と訳すのは間違い2017/01/18    

昨年末(平成28年12月27日)に総務省から発表された直近(平成28年11月速報値)の実質消費支出(二人以上の世帯)は前年同月比で「-1.5%」でした。

9ヶ月連続でマイナスです。

デフレで家計の所得(実質賃金)が増えないわけですから、消費支出が増えるわけもありません。

消費支出が増えなければ物価も上がらず、物価が上がらないから所得(実質賃金)も上がらない。

これがデフレスパイラルです。

デフレとは、供給過剰 = 需要不足のことです。

さあ、この状況下でTPPなる自由貿易協定やったらどうなるでしょうか?

まず国外から安価な商品やサービスが流入することになります。

我が国はますます供給過剰になって更にデフレ化します。

「でも、関税率が低くなるから、日本からアメリカへの輸出だって増えるじゃないか」

と思われる方々がおられるかもしれません。

がしかし、例えば自動車産業をみますと、既に日本の自動車メーカーの工場は海外(例えば米国)に移転され現地生産されていますので、関税撤廃のメリットはほとんどありません。

仮に日本からの輸出が増えたとしても、経常収支が黒字化して為替が変動しますので、結局は利益が調整されます。

それに、我が国の国会で批准されたTPPの中身をみますと、排ガス規制安全基準税制など、ことごとく米国が有利な方向で制度改正されています。

例えば、米国はスポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)自動車に25%の関税をかけています。

これを撤廃してくれるのならまだしも、この25%の関税が撤廃されるのは、なんと29年後とのことです。

要するにTPPに米国が参加したとしても、今後29年間、SUV自動車の関税25%が維持されるというのです。

そのほか自動車部品についても、ほとんどの関税が即時撤廃ではありません。

これだけをみても、もはやTPPは自由貿易ですらない。

仮に自由貿易であったとしても、そもそも自由貿易とは外国の生産力と需要力に依存するシステムです。

デフレ(生産過剰)で苦しんでいる日本が、どうして外国の生産力に依存する必要があるの?

また、生産年齢人口が減少し、かつ高齢者需要が拡大するこれからの日本が、どうして外国の需要に依存しなきゃならないの?

それに、自由貿易が最終的に求めるものは、モノサービスヒトカネの移動を自由化させることです。

このことで利益を受けるのは誰でしょうか。

それは決定的に「グローバル企業」「グローバル投資家」であって、日本国民米国国民ではない。

だからこそトランプ次期米国大統領はTPPを批准しないのです。

トランプは、「TPPはやらないけど、米国国民が利益を受けるための二国間協定はやりたい」と言っています。

さらに重要なことは、自由貿易安全保障(国民主権)は両立しえない、ということです。

簡単にいうと、自由貿易によって各国各種の規制等が緩和・撤廃されます。

そもそも規制は、そのほとんどがその国の国民を守るためにつくられています

それが撤廃されるのですから、国民安全保障は破壊されていくことになります。

トランプとは違って、ウォール街(グローバル投資家や企業)に指示されてきたオバマ政権はTPPを推進してきました。

日本国民を守る各種の規制を撤廃させることで、その利をウォール街に食らわそうとしていたからです。

これは陰謀論でもなんでもなく、単なるビジネスモデルの話しです。

要するにTPPは「経済」問題などではなく、歴然とした「政治」問題なのです。

残念ながら日本の識者と言われる方々の多くは、「TPPは経済問題である」という前提で解説しているように見受けられます。

日本のメディアもTPP「環太平洋経済連携協定」と訳していますが、これは間違いです。

Trans-Pacific Partnership

これのどこに、経済(Economy)という言葉が入っているのですか?

TPPを「経済協定」と訳した時点で、既に我が国は対米交渉に負けているように思えます。