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議会報告 川崎市政

国力の差はインフラの差
 [ 公的固定資本形成(対GDP比) ]
2017/01/15    

国民経済計算(GDP統計)は、その国の経済の全体像を国際比較可能な形で体系的に記録することを目的にしています。

内閣府によると、国連の定めている国際基準(SNA)に準拠しつつ、国民経済計算(GDP統計)の作成基準及び作成方法に基づいて作成されているとのことです。

GDPは、生産面=分配面=支出面の3つの面から成り、統計上それぞれ3つの金額は必ず一致します。

それをGDPの三面等価の原則といいます。

例えばAさんという国民が、一個1,000円のケーキを5つ生産しました。

それをBさんという国民が3つ(3,000円を支出)購入しました。

なおCさんという国民が2つ(2,000円を支出)購入しました。

結果、Aさんには5,000円の所得(分配)が入りました。

この時、仮に日本国にAさんとBさんとCさんの3人しか存在しなかったとした場合、

生産面の合計=5,000円

分配面の合計=5,000円

支出面の合計=5,000円

という具合に、生産面=分配面=支出面のGDPは必ず一致します。

統計上、モノやサービスを購入する主体は以下の4つ。

1)政府

2)企業

3)家計

4)海外

これら各経済主体が、それぞれどのようなものに支出(消費・投資)をしたのかを表す統計が、支出面のGDPです。

支出とは需要(消費・投資)のことです。

支出(需要)の内訳を具体的にみますと、

①政府最終消費支出

②民間最終消費支出

③公的固定資本形成(公共事業費から用地買収費用を除いたもの)

④民間設備投資

⑤住宅投資

⑥純輸出(輸入から輸出を引いたもの)

⑦在庫変動(在庫が増えると統計上、GDPは増えます)

このうち、本日とりあげたいのは、③の公的固定資本形成です。

国民経済計算(GDP統計)では、公共事業費から用地買収費を除いたものを公的固定資本形成といいます。

公共事業費から用地買収費を除くのは、用地(土地)はその国の国民によってつくられた付加価値でないからです。

GDPとはあくまでも、その国の国民によってつくられたモノやサービスという付加価値の合計のことです。

私は、その国のインフラ(公的・民的)の充実度の差が国力の差であると考えます。

民的なインフラは、民間設備投資という、あくまでも民間企業等が資本形成(投資)することで構築され、一方、公的なインフラ(道路、橋梁、鉄道、港湾、空港、上下水道、送電線)は政府による投資(公的固定資本形成)に構築されます。

例えば、日本国内をみた時、東京圏のGDPが他の道府県を圧倒しているのは、インフラの充実度が違うからです。

川崎市などは、近隣自治体に比べ公的インフラの弱い自治体なのですが、東京都と横浜市などインフラに力を入れている自治体に隣接しているという地理的条件に助けられています。

むろん、その公的インフラの充実度は公的固定資本形成の蓄積によって決まります。

現在の日本の国民や企業が、利便性の高い生活や効率性の良い生産活動が行えるのは、高度成長期時代の日本が公的固定資本形成というものに惜しみない投資を行ってきたお陰です。

しかし、1997年以降の緊縮財政によって、我が国の公的固定資本形成への投資は抑制され続けています。

上のグラフのとおり、公的投資(公的固定資本形成)は明らかに減っています。

因みに、高度成長期はどうだったか・・・

下のグラフのとおりです。

このままいくと、我が国はじり貧です。

こう言うと、「でも、これからの日本は人口が減るんだから、これ以上の公的投資はいらないんじゃないの?」という人がおられるかもしれません。

しかし、それは全く逆です。

主として生産年齢人口(15~64歳人口)が減少する我が国は、公的・民的インフラを充実させることによって生産性の向上を図っていかなければならないからです。

生産性が向上すると、生産面のGDPが向上します。

GDPの三面等価の原則で、生産面の向上は必ず分配面(所得)の向上にもつながります。

これを経済成長といいます。

インフラへの投資を怠り、外国人労働者を受け入れるようなことをすると、国民一人当たりの生産性が向上しません。

生産性が向上しないということは、GDPの三面等価の原則で分配面(所得)が向上しないということです。

むろん、投資対象は公的インフラのみではなく、例えば、技術開発投資や人材投資も必要です。

同時にこれらの投資はGDPの支出面(需要)に含まれますので、デフレギャップ(需要不足)の解消にも役立ちます。

ところが、この公的固定資本形成への我が国の投資態度は、お隣のシナや韓国に負けています。

例えば高速道路(自動車一台あたりの高速道路延長)は既に韓国に抜かれています。