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議会報告 川崎市政

医療・保育・介護分野の賃金アップを
 [ 行財政と家計簿のちがい ]
2017/01/14    

現在、我が国は(川崎市も含めて)、総需要の不足(供給能力の過剰)というデフレ状態が続いています。

モノやサービスをつくる力は大きいのに、それらを消費したり、あるいはそれらに投資したり、という支出(需要)が少ないという状況です。

なんでそんなことがわかるの?

という疑問をお持ちの人もいるかもしれません。

なぜわかるのかというと、物価(生鮮食品を除く総合消費者物価指数)が下落しているからです。

モノやサービスの購入が盛んになると物価は上がり、逆にモノやサービスの購入量が減ると物価は下がります。

・・・「だったら供給能力を削ればいいじゃん、そうすれば需要と供給がバランスするんじゃないの?」・・・

と、言う人もいらっしゃることでしょう。

残念ながら、デフレ下で供給能力を削いでしまうと、余計に雇用が悪化します。

そうすると、雇用悪化 → 失業者増大 →  消費減退  需要減退というスパイラルになりますので、さらにデフレ化します。

なのでデフレ期(需要不足期)は、政府や行政の支出によって埋めるのがベストなわけです。

一方、需要不足(デフレギャップ)は国民経済の総体的なお話で、経済情勢を個別にみていくと、既にインフレギャップ(供給不足)の分野も存在しています。

例えば代表的なのは、医療、保育、介護の分野です。

ご承知の通り、これらの分野は既に人手不足です。

だからといって、これらの分野にネオリベ的「構造改革(規制緩和)」が必要だ、とはなりません。

人手不足の要因は主として賃金の安さだからです。

例えば保育士の給与水準・・・

次に、介護従事者の給与水準・・・

因みに、下のグラフのとおり、介護福祉士の従事率は60%以下です。

これらの分野に求められているのは、雇用規制の緩和とか、新規参入規制の緩和とかいう構造改革でなく、生産性向上のための投資と、正規職員枠の拡大と賃金アップです。

その財源はどうするの?

世は、金利が安くてカネ余りです。

それを政府や自治体が借りて使えばいいだけの話しです。

例えば、川崎市が介護従事者さんや保育士さんの給与を上げるために福祉債を発行して支出すれば、「政府最終消費支出」という需要項目が増え、デフレギャップを埋めることになります。

デフレを解消すると、市内総生産(GDP)が増えて税収が増えます。

税収を増やすことができれば負債比率を抑制していくことが可能です。

ここで邪魔になるのは、「家計簿ポリティクス」です。

「私たち日本国民はがんばって家計を切り詰めているのに、行政が支出を拡大するのはけしからん」という批判は国民経済にとってむしろ弊害です。

家計の場合はおカネを使うと使い切ったまま戻ってきませんが、行政は財政出動することで経済のパイを拡大し税収を増やすことが可能です。

この一点で行財政家計簿と違うのです。

しかも、「国債の貨幣化」という通貨発行権さえも持っているのが政府です。

地方自治体は政府の子会社です。

そう簡単には破綻しません。