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議会報告 政治・経済

OECD生産性ランキング2017/01/06    

厚生労働省が6日に発表した2016年11月の毎月勤労統計(速報値)によりますと、実質賃金「きまって支給する給与」は前年同月比でゼロ%、ついに「現金給与総額」においても前年同月比でマイナス0.2%になってしまいました。

再デフレ化しています。

さて、公益財団法人日本生産性本部が公表している「労働生産性の国際比較」(OECD加盟国の国民1人当たりGDPランキング)によると、日本は18位(2015年)ということです。

この調査は、各OECD加盟国のGDPを購買力平価USドルに換算して、それを働いている人の数(就業者数)で割りだしてランキングしています。

グラフのとおり、日本のそれは、37,372USドルでOECD平均を下回っています。

名目GDPそのものでは世界第3位にある我が国が、どうして一人当たりのGDPランキングになると第18位にまで後退してしまうのでしょうか。

理由は2つ。

まず1つ目の理由は、我が国がデフレであること。

デフレとは需要不足から一人当たりのGDPが増えない状態のことです。

そして2つ目の理由ですが、日本の場合は算定の分母となる働く人の数(就業者数)が多いこと。

生産年齢人口の減少によって、現在の日本の失業率はほぼ3%程度です。

それに対して、日本よりもランキングの上位になっているヨーロッパ諸国の平均的な失業率は20%を超えています。

失業率が高い働く人の数が少ない

ということですので、その分だけ一人当たりのGDPが大きな値になって当然です。

よって、いくら上位にランキングされているからといって、手放しで喜ぶことのできない話ではあります。

あるいは、第1位がルクセンブルグになっていますが、ルクセンブルグはご承知のとおり、国の経済がほぼ金融サービス業で成り立っています。

金融サービス業は、たった一人で○○数億を稼ぐ世界ですので、こうしたランキングをすると断然有利になります。

加えてルクセンブルグは、もともと人口も少ないですし。

以上のように、冷静になってOECD加盟国生産性ランキングをみないと、「日本はまだまだ生産性が低い・・・、だから構造改革が必要だ」というように、ネオリベたちのレトリックに使われかねません。

むしろ製造業だけをみると、日本の製造業は世界で最も生産性の高い産業です。

おそらく世界第1位です。

その一方で、まだまだ生産性向上の余地を残しているのはサービス業です。

といって、サービス業が怠けているわけではありません。

長引くデフレによって、サービス業分野の単価が上がっていないだけです。

意外に思われるかもしれませんが、我が国の産業構造をみますと、その約8割がサービス業で占められています。

製造業は2割程度なのです。(国民経済計算では建設業はサービス業に分類されます)

なお、生産年齢人口が益々減少していく日本においては、これらサービス業分野での生産性の向上が大きなテーマです。

まずはデフレの解消によってサービス単価を引き上げていくことが必要です。

のみならず、生産年齢人口減少による人手不足を技術革新等によって解消していくことが求められます。

その具体的手段は「投資」ですが、長引くデフレで需要拡大を見込めないために、民間投資が増えていきません。

今、政府(行政)が為すべき政策は明らかです。