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議会報告 政治・経済

ポスト・グローバリズム時代2016/12/31    

今年も、残すところ後わずかとなりました。

ふりかえれば様々な出来事で満載な一年でしたが、その中で「特に重大だと思われる出来事を3つ挙げよ」と言われたなら、私は迷うことなく次の3つを取り上げます。

1) 6月23日のブレグジット

2) 11月8日の米国大統領選でのトランプ氏の勝利

3) 震度6以上の地震が今年一年で5回もあったこと

この3つは、私に大きな示唆を与えてくれています。

1) 2) 3)に共通するキーワードは「グローバリズム」です。

1980年代からはじまったグローバリズムとは、モノ(商品やサービス)、カネ(資本)、ヒト(移民等)、の国境を越えた自由が最大化された世界です。

その最大の受益者は、グローバル投資家であり、グローバル企業の経営者たちです。

むろん彼らは、ジョセフ・スティグリッツのいう「1% vs 99%」の「1%」に属しています。

我が国は1990年代から急速にグローバリズムに接近し、ネオリべラリズムに基づく構造改革が進められてきました。

1998年以降にデフレに突入した日本は、「金融緩和+財政出動」という真っ当なデフレ対策をとることなく、むしろグローバリズムの名のもとに構造改革というインフレ対策がとられてきたことから未だデフレに苦しんでいます。

と同時に、構造改革は、防災、医療、食料、エネルギー等々の私たち日本国民の命と生活にかかわる安全保障を悉く破壊しています。

例えば緊縮財政を常とする構造改革は、自然災害大国たる我が国の防災インフラを脆弱化させ、国土の維持形成に不可欠な土木や建築等の供給能力を減退させています。

あるいは構造改革派が主張する「混合診療」政策は、国民皆保険という我が国固有の制度を壊して、いずれ私たちの医療安全保障を崩壊させることになるでしょう。

英国はユーロ・グローバリズムに組み込まれた結果、様々な国際協定にしばられて国家主権(国民主権)が制限されました。

それによって英国は東欧からの低賃金労働移民の流入を制限することができず、英国の実質賃金はわずか5年間で8%も下がってしまったのです。

米国は1994年からはじまったNAFTA(北米自由貿易協定)でメキシコからやはり低賃金労働移民が流入しました。

加えてグローバリズムはカネ(資本)の国境を越えた自由も最大化させるため、ミシガンやペンシルベニアなどのいわゆるベルト地帯にあった自動車工場は国境を越えてメキシコに移転することになります。

自然、多くの米国民の雇用が奪われました。

英国民にしても米国民にしても、カネ(資本)の移動や移民の流入を「主権を行使して制限することが許されない」のです。

それがグローバリズムです。

こうした英国民や米国民たちの怒りが、「ブレグジット」や「トランプ旋風」という形で爆発したのです。

グローバル投資家をはじめとしたグローバリストの利益のために国民主権が奪われる。

国民主権が機能しなくなると、その国のナショナリズムはやがて希薄化していきます。

ここでいうナショナリズムとは国民同士の助け合いのことです。

我が日本国は有史以来、この国民同士の助け合いというナショナリズムによって自然災害に対処してきました。

ナショナリズム抜きで防災安全保障を確立することは困難なのです。

かつて金本位制を世界に広めた英国が真っ先に金本位制から離脱したように、グローバリズム(ネオリベラリズム)を広めた英国が、今度は真っ先にユーロ・グローバリズムから離脱しました。

それを追うようにして米国ではトランプ次期大統領がポスト・グローバリズム時代を模索しようとしています。

世界の潮流は明らかにグローバリズム終焉の方向にあります。

とすれば、いかにポスト・グローバリズム時代に臨んでいくのか。

それが来年以降の大きな政治テーマになっていくのだと私は考えています。

今年も当ブログをご高覧頂き誠にありがとうございました。

ふかく感謝申し上げます。

来年もまた一層のご高配を賜りたくお願い申し上げます。

何卒、良いお年をお迎えください。