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議会報告 政治・経済

世界最強の安全資産2016/12/27    

G・P・I・F

GPIFとは、Government Pension Investment Fund の略で、このブログにたびたび登場する『年金積立金基金管理運用独立行政法人』のことです。

俗にいう「独法(ドッポウ)」(独立行政法人のこと)です。

日本語で表記すると長いので、ここでは便宜的に「GPIF」!

このGPIFなる独法は、国民の皆様からお預かりしている厚生年金及び国民年金の積立金、合わせてなんと124兆円を運用しています。

年金基金としては世界最大の運用額になります。

このたび、そのGPIFが海外のインフラファンドへの投資に乗り出すのだそうです。

『GPIF、米インフラ投資に関心
http://jp.wsj.com/articles/SB10604864507425704319504582468643982183440

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の高橋則広理事長は30日、米国のトランプ次期政権下で外国資本へのインフラ市場開放がより進むことを期待すると述べ、GPIFとして投資意欲があることを示唆した。(後略)』

トランプ米国次期大統領は、今後10年間で1兆ドル規模の公共インフラ投資を既にコミットメントしています。

これに我が国のGPIFが関心を示し期待しているのだそうです。

1980年以降にネオリベラリズム(新自由主義)が幅を利かせてきた米国では、インフラの脆弱化が進んでいます。

それを・・・10年かけて再整備しよう、しかも1兆ドルかけて・・・ということです。

1兆ドルといったら、現在の為替レートで換算すると日本円でいくらになりますか?

今朝(9:12現在)のドル相場が117円です。

なので、117兆円公共投資です。

一方、我が国は、1998年にデフレに突入して以降、米国に負けず劣らず公共投資を減らしてきました。

因みに、第二次安倍政権は、当初予算ベースではあの悪名高き民主党政権よりも公共事業費を減らしています。

というか、安倍政権は戦後最悪の緊縮財政政権ですので。

今や先進国と呼ばれている国々のなかで、日本は最もインフラ貧弱国に成り果てています。

ところが、日本には一向にトランプが現れない。

アベノミクスが量的質的金融緩和だけで終わってしまっているため、すなわち財政出動政策を封印しているために、銀行、生保、GPIFらは、その運用先に窮しています。

上の円グラフは、日本政府が発行した借用証書、いわゆる国債(国庫短期証券を含む)保有者の割合を示したものです。

ご承知の通り、日銀は量的緩和を目的に毎年80兆円のペースで市場から国債を購入しています。

その一方、安倍政権が国債発行(公共事業のための建設国債の発行)を頑なに抑制していることから、市場の国債が枯渇するばかりで、既に国債市場の38%を日銀が保有している状況です。

この比率は日に日に大きくなっていきます。

むろん困っているのは、銀行や生保やGPIFなどの金融機関や基金です。

金融機関というのは、お預かりした資金を何かしらの資産で運用して利益を上げなければなりません。

ところが、グラフのとおり利益を上げるための安心安全な運用先がないのです。

であるからこそ、GPIFは米国のインフラ投資で運用しようとしているわけです。

カントリー・リスクを冒してまで。。。

しかし、日本国債こそが彼らにとって最も安心で安全な世界最強の金融資産であり運用先です。

よって、日本政府は財政出動(公共投資のための国債発行)をするべきです。

もし日本政府が、「今後10年間で100兆円の公共投資を行います」と宣言したら、金融機関もGPIFも日本のインフラ投資に関心を示してくれていたことでしょう。

というか、普通に政府が発行した国債(建設国債)を彼らが購入するだけの話しで、そうすれば日本国民の貴重な年金資金が国債という世界最強の安全資産で運用されることになります。

むろん我が国の公共インフラの強化は、私たち日本国民の防災安全保障を強化し、経済的な生産性の向上(日本国民の所得の向上)をもたらしてくれます。

なのに・・・

ついでに頭にくるのは、安倍政権は成長戦略の一環として「公的・準公的資金の有効活用策」を掲げています。

今回のGPIFの件は、その有効活用の一環として、ノウハウを有している海外公的年金との提携で運用の多様化を図る、というものです。

安倍政権のいう「成長戦略」って、要するに「我が国の貴重な運用資金を日本の公共インフラのためでなく、米国様の公共インフラのために活用すること」だったんですね。

ただ一点、安倍政権を褒めるところがあります。

それは、日銀が市場の国債を購入していることで、政府が返済すべき実質的な負債(元利金)が減っていることです

政府の子会社たる日本銀行が国債を購入すると、親会社たる日本政府の返済義務は実質的に消滅してしまうのです。

民間企業では、親会社が発行した社債を子会社が購入すると、グループの連結決算で相殺されます。

それと全く同じです。

政府負債の減少・・・このことだけは、アベノミクスの唯一の効果かもしれません。

不思議なことに、この事実をいずれのマスコミも報道しようとはしません。