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議会報告 政治・経済

防衛費の適正額とは2016/12/24    

我が国が防衛費を増やすことが、どうしても気に食わないのか日本経済新聞が次のような記事を書いています。

『防衛費、ぼやける全体像 16年度は補正で2000億円上積み
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS22H6G_S6A221C1PP8000/

2012年の第2次安倍政権発足以降、多額の防衛費を補正予算で計上する傾向が鮮明になっている。16年度は第2次、第3次をあわせた補正予算だけで約2000億円にのぼった。過去にも計上したケースはあるが、災害対策などを名目に数百億円規模にとどまっていた。政府内には防衛費の増額に歯止めがきかなくなるとの懸念もでている。(後略)』

この新聞は基本的に経済思想ネオリベ(新自由主義)国防思想朝日新聞並みです。

さて、まともに機能しているかどうかは別として、建前上、国連「集団安保の組織」です。

国連憲章の第1条目的〕 には、次のようにあります。

『国際連合の目的は、次の通りである。

国際の平和及び安全を維持すること。そのために、平和に対する脅威の防止及び除去侵略行為その他の平和の破壊の鎮圧とのため有効な集団的措置をとること並びに平和を破壊するに至る虞のある国際的の紛争又は事態の調整又は解決を平和的手段によって且つ正義及び国際法の原則に従って実現すること。』

ここでいう有効な集団的措置なるものが「集団安保の集団的措置」です。

因みに、その集団的措置の一つが国連憲章第42条にある「軍事的措置」です。

憲法9条がどうのこうのと言われていますが、1956(昭和31)年、我が国は何ら留保事項(特定条件)をつけずに国連憲章に賛同し国連に加盟しました。

なので、加盟した以上は、「この憲章に従って負っている義務を誠実に履行しなければならない」(国連憲章第2条)のです。

解りやすく言うと、集団安保とは「加盟各国が相応の負担をして国際秩序を維持しようね」ということです。

相応の負担をして・・・なのです。

日経も朝日も、このことをまともに理解しようとしませんが、日本は相応の負担をしなければならないのです。

といっても、ここでいう相応の負担とは「おカネ」の話しではありません

繰り返しますが、我が国は国連加盟に際して、「憲法9条があるので、我が国はおカネだけ負担します」などという留保事項はつけていません。

なので憲法9条があろうがなかろうが「相応の軍事的負担」は誠実に履行すべき責務なのです。

断っておきますが、日本国憲法の第9条は、集団安保の責務を果たすために必要な軍事力の保持を否定していませんのでご注意を。

というか、米国が日本国憲法を策定したとき日本は国連の敵国でしたので、日本が集団安保に参加することなど全く想定されていません

厳密にいうと、現行憲法は集団安保の責務を果たすために必要な軍事力の保持を否定も肯定もしていないのです。

なにせ想定していないのですから。

よって憲法9条をもって「日本は集団安保に参加できない」とか「集団安保に必要な軍備を保有できない」という論拠は成立しえないのです。

そこで、集団安保維持のために必要な相応の負担とは何か、ということが重要になります。

それは対GDP比3%程度の防衛費(軍備)の維持です。(根拠は『Prevention of prime』 という慣習英米法)

チャイナの場合、これ(対GDP比3%程度)をはるかに超えているであろうと言われています。

こうした行為は、国際集団安保上の脅威になります。

逆に、日本のように対GDP比で1%にも満たない防衛費しか計上していない国は、集団安保の責務を怠っている、ということになります。

現に、シーファー駐日米国大使(当時)から、そうした指摘を受けたことがあります。

さらに重要なことは、我が国は1998年以降にデフレに突入し、名目GDPが一度も1997年を上回ったことがないのです。

一方、例えば米国の名目GDPは、下のグラフのとおり、1990(平成2)年から約3倍に増えています。

正しい統計がとれないチャイナですが、IMF(国際通貨基金)はチャイナの名目GDPを下のグラフのように試算しています。

少なくとも、チャイナは2001(平成13)年にWTO(世界貿易機構)に加盟して以降、名目・実質ともにGDPを飛躍的に増やしています。

名目GDPが増えている国とそうでない国とでは、防衛費(軍事費)に大きな差が生じます。

名目GDPが増えれば、自然に防衛費の割合も増えます。

ご承知のとおり、我が国は20年間にも及ぶデフレ経済で名目GDPは1997(平成9)年以降、一貫して増えていません。

何よりも、日本の防衛費は、その増えていない名目GDPの常に1%未満なのです。

そりゃぁ、軍事力に差が生じて当然ですよね。

チャイナが東シナ海や南シナ海において挑戦的な軍事行動をとるようになったのは、明らかに彼の国の名目GDPが増えてからのことです。

結局、「日本の多額な防衛費がぁ~」という人たちは、防衛費や軍事費というものを絶対値でしか見ることのできない人たちなのです。

しかも「多額の防衛費」とか極めて抽象的な言葉をつかって国民の恐怖を煽っているに過ぎません。

数字は(特に防衛費は)、相対的に観察することが求められます

なお、米国が世界の警察官としての役割を放棄しはじめた今日、もはや対GDP比3%でも足りない、と言わざるをえません。

米国が世界の警察官としての役割を放棄する、ということは、もはや国連(米国)が主導する集団安保が機能しなくなる、ということを意味しますので・・・