〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 川崎市政

入るを量りて出ずるを制す2016/12/18    

入(い)るを量(はか)りて出ずるを制す。

これは、古代中国の古典である『礼記』(王制)の項にでてくる言葉です。

その『礼記』(王制)には「30年の通を以て国用を制し、入るを量りて、以て出ずるを為す」とあり、要するに、30年間程度の長期スパンで国の予算を組み立て、まず収入の方をよく押えてから支出の方を計画するのだ、と言っています。

この「入るを量りて出ずるを制す」こそが、古今の鉄則であるかのように公言して憚らない識者気取りがいます。

おそらく、政(まつりごと)を治める者に対する財政的姿勢の戒め、とでも言いたいのでしょう。

ですが、明らかな誤解です。

政府が「入るを量りて出ずるを制す」ことが正義になりえるのは、あくまでもインフレ期の話しです。

デフレ期にこれを断行すると、余計にデフレになります。

そしてデフレが長期化すると、現在の日本のように多くの国民の所得が減少していきます。

経済的側面から古今東西の歴史をみると、その大部分を通じて、世はインフレ経済でした。

なぜなら産業革命以前の社会は、ほぼゼロ成長だったからです。

生産活動に投入されるリソース(要素)が「土地」と「労働」に限定されていた時代においては、その供給能力に制約があるため、供給<需要の状態、即ちインフレ状態だったのです。

ただし我が国の場合、例外的に江戸時代において既にデフレを経験しています・・・

何しろ、江戸時代の日本は先進国だったので。

ここでいう先進国というのは、自国の需要を自国のリソースで供給できる割合がより高い国のことです。

『礼記』がつくられていた時代には、デフレという概念はなかったはずです。

だから当時としては、緊縮財政は常に正義だったのです。

産業革命以降、生産活動に「資本」「技術」という生産要素(リソース)が加わって、生産性の向上が図られたことで、ときに供給>需要の状態、即ちデフレが現出するようになりました。

そのデフレ期に政(まつりごと)を治めるものが「入るを量りて出ずるを制す」財政政策を展開すると、ますます需要が減退してデフレ化します。

日本は1998年にデフレに突入して以来、未だデフレです。

私が1993年に大学を卒業して就職した際、その初任給は19万5千円(月給)でした。

ところが、今もってその額は変わっていません。

それほどに世はデフレなのです。

デフレで儲けることができるのはグローバル投資家グローバル企業ぐらいのものであって、普通に日本国で暮らし、普通に日本国で働くネイティブ日本国民にとって、まことデフレほど所得を稼ぎにくい社会はありません。

なぜ、そのデフレが払拭されないのか?

このデフレ期に、国も自治体も一丸となって「入るを量りて出ずるを制す」緊縮財政を断行しているからです。

川崎市政も例外ではありません。

これをテーマに、明後日の火曜日(12月20日)、川崎市議会・一般質問で質問にたちます。