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議会報告 川崎市政

レントシーカーとコンセッション方式2016/11/30    

総需要の不足から既存の需要(所得)のパイがこれ以上増えないデフレ期において、法律や制度を変更させて、強引にその市場に新規参入することで既存の所得のパイの一部を奪って利益を上げていく人たちがいます。

いわゆる「レントシーカー」です。

例えば、川崎市の港湾地帯に橋をつくるとします。普通であれば、国からの補助金と自主財源によって事業費を確保した川崎市が事業主体となって業者に発注します。これがオーソドックスな公共事業です。

このオーソドックスな公共事業のままだと利益にありつけないレントシーカーたちは、例えばコンセッション方式等による橋の建設を望みます。

コンセッション方式とは、施設の所有権を移転せず、民間事業者に公共施設等運営権を付与する方式のことです。

すると、ネオリベ首長やネオリベ議員たちが「行財政改革の一環として、あるいは民間活力の導入として、今回の橋の建設はコンセッション方式でやろう~」とか言ってこれに応えます。

簡単に言うと次のようになります。

まず、橋の所有権を川崎市に残したまま民間事業者に橋をつくらせます。その事業費は請け負った民間事業者もちです。

出来上がったら、請け負った民間事業者が引き続き維持管理も行います。それもまた民間事業者もちです。

そして川崎市は民間事業者に対して、通行料(使用料)としておカネを支払います。このとき、車が何台通ろうが通るまいが関係ありません。民間事業者が絶対に採算をとることのできる金額を支払い続けます。

そこで間違いなく想定できることは、請け負った民間事業者は利益を最大化するために維持管理費をできうる限りカットしようとすることです。人材は派遣社員などの低賃金雇用で賄い、資材はできうる限り安いものにし、定期点検もできるだけ簡略化、といった具合に。

なので請け負った民間事業者の従業員たちの所得はそんなに潤わないけど、その会社の経営者と株主たちには一定の所得が舞い降りてくることになります。チャリーン、チャリーンと。

このように制度変更させることで新規参入を果たし、既存の所得のパイに割り込んで利益を安定的にかっさらっていくことをレントシーキングといいます。

一方、建設から維持管理までを請け負える会社なんて、そうそう在りません。

なので、普通の公共事業であれば受注できていたであろう建設会社(下請け、孫請けも含む)は、事業形式がコンセッション方式に変わってしまったがために受注機会(所得獲得機会)を喪失することになります。といって、現在はデフレ期なので他に大きな仕事を見つけるのも困難です。

こうして更なるデフレ化が進んでいくことになります。

生産性向上では追いつくことのできない余程のインフレギャップ期であるのならまだしも、総需要不足のデフレ期におけるコンセッション方式など論外です。

この世には、厄介なことに「デフレの方が都合がいい」という連中がいるのです。レントシーカーはその一部です。