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議会報告 政治・経済

伝家の宝刀「天候不順」2016/11/29    

くどいようですが、景気の低迷が深刻化しています。

過日のエントリーでもご紹介申し上げましたとおり、消費者物価指数(コアCPI)は2月の閏月効果を除くと、なんと前年同月比10ヵ月連続のマイナスで、再々デフレ化ともいうべき経済状況が続いています。

本日は総務省から家計調査(10月分の速報値)の発表がありました。

こちらもまた深刻な数値です。

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誤解を恐れず簡単に申し上げますと、実質消費支出とは「その世帯がパンを何個買うことができるか?」という統計です。

例えば、昨年10月には100個のパンを買うことができていた家計が、今年の10月には95個しかパンを買うことができなかった、となった場合、実質消費支出はマイナス5%となります。

時系列でみますと、下のグラフのとおりです。

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2015年5月はプラス4%と飛びぬけていますが、これは前年4月の消費税増税(5%→8%)の反動です。

そのことを踏まえますと、惨憺たる結果です。これを、国民の貧困化と言います。

アベノミクス以降、国民はさらに貧困化しているのです。第二次安倍政権発足当初、金融緩和の効果で円安になったことで株価が上昇しましたが、一義的には国民経済にとってほとんど関係ありません。

また、ここのところ日経平均株価が多少の上昇をみせていますが、これはトランプ次期大統領が行おうとしている財政出動(内需拡大)政策を見越してのドル高(円安)によるもので、これも国民経済にとって何ら関係はありません。そもそも国民経済はフロー(所得)の世界、株価はストック(貯蓄)の世界の話しですので・・・

国民経済というフローの低迷が続いている最大の要因は、たんに政府の不作為です。

デフレは「総需要の不足」という正しい現状認識をせず、デフレをたんなる「貨幣現象」と捉えて金融緩和のみで乗り切ろうとしてきた結果です。即ち、「金融緩和+財政出動」という正しい政策を行ってこなかった不作為です。

にもかかわらず、某国務大臣によると、現在の景気低迷(再々デフレ化)の要因は「天候不順によるもの」なのだそうです。

『消費低迷は天候不順が影響、先行き不安ではない=石原再生相
http://jp.reuters.com/article/ishihara-idJPKBN13O049

石原伸晃経済再生相は29日の閣議後会見で、同日公表された家計調査の消費支出が8カ月連続で前年比マイナスとなったことについて、「弱含んでいる」と指摘。「天候不順が非常に影響したのではないか。野菜価格高騰が実質消費を押し下げている」との見解を示した。(後略)』

先述のとおり、実質消費支出を時系列でみますと、「弱含んでいる」などといえる状況ではありません。

株価が上がると「・・・それはアベノミクス効果です」といい、デフレ化すると「・・・それは天候不順のせいです」という。

そんなこと言ったら、第二次安倍政権が発足して以降、毎年、天候不順だったってことになってしまうではないか。それに、どうして株価だけは天候不順でも上がるのか。

馬鹿も休み休みいえ・・・