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議会報告 川崎市政

新自由主義とデフレの被害者2016/11/18    

昨日(11月17日)、川崎市議会・まちづくり委員会が開催されました。(川崎市議会では閉会中も各常任委員会が通年で開催されています)

議事の内容は、請願の審査が1件、陳情の審査が1件、所管事務(まちづくり局)の報告が数件ありました。

請願は、川崎市川崎区の小田という地域に107戸(高さ20m)級のマンション計画があり、近隣住民がその計画変更を求めるもの。陳情の方は、川崎市麻生区の上麻生における分譲住宅計画について、やはり近隣住民が計画の変更を求めるものでした。

とりわけ小田の請願は、建蔽率60%、容積率200%の第二種住居地域に巨大マンションが隣地境界線すれすれに建設されますので、近隣住宅への圧迫感と日照権の制約が深刻です。

ただ、いずれの計画についても建築基準法や都市計画法等の法律上の問題はすべてクリアされています。ご承知のとおり、法律で認められていることについて自治体が条例等で規制や制限できないことから、どうしても審査には限界があるわけです。

審査結果は請願・陳情ともに継続審査ということになりましたが、審査していて実感したことは、これらの問題の根底には「新自由主義」「深刻なデフレ」があることでした。

新自由主義(ネオリベラリズム)とは、小さな政府、民営化、自由化、規制緩和、財政均衡、グローバリズム等々、これらは常に善である、というイデオロギーです。

デフレとは、総需要の不足によって物価と賃金と消費が相乗的に縮小していく経済現象のことです。

例えば、小田のマンション計画の土地は、もともと神奈川県警の寮(所有者は神奈川県)でした。

神奈川県が民間事業者に売却などせず、跡地の有効利用、あるいは川崎市に譲渡(売却)してくれれば、今回のようなマンション計画はなかったでしょう。

なぜ、それができなかったのか?

そこには「行政は小さくなければならない」という新自由主義的な発想があるからです。

川崎市にしても買うに買えなかった。

なぜ、それができなかったのか?

そこには「財政は常に緊縮でなければならない」という新自由主義的な発想があるからです。

利益を最大化することを目的としている株式会社が土地を購入するのは、そこに戸建て住宅やマンションを建てて売却し1円でも多く利益を上げたいからです。むろん、資本主義社会ですからその行為を批判するつもりはありません。

とはいえ、そこでデフレという問題が関係してきます。

長引くデフレによって高い住居は売れにくい。だから、できうるかぎり単価(一軒あたり)の安い戸建てやマンションを建てようとする。低層高級マンションでは売れませんから。

そのため、事業者は建蔽率や容積率を最大限活用し、できるだけ戸数を増やしてキツキツの計画にするわけです。

なので私は、今回の請願者や陳情者の皆さんは「新自由主義」と「デフレ」の被害者といっても過言ではないと考えます。

行政の目的は「経世済民」であり「利益の最大化」ではありません。しかし、新自由主義は「費用対効果」の名のもとに行政をも「利益の最大化」組織変えてしまうのです。

デフレにしても、国や自治体が緊縮財政(財政収支の均衡)にこだわり、需要創出のための財政出動を行わないがために依然として克服することができない状況が続いています。

詰まるところ、政治の責任です。