〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 政治・経済

会計検査院の要らぬ懸念2016/11/14    

今朝、テレビ番組(経済番組)を観ていましたら、何某とかいうエコノミストが、日銀が購入してきた国債の含み損が年内に10兆円を超す見通しとなっていることを殊更に問題視し、れいのごとく国民の恐怖を煽っていました。

『日銀の国債含み損、年内に10兆円超 検査院が懸念
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO09484460S6A111C1NN1000/

日銀が金融緩和のために大量に買っている国債の含み損が年内に10兆円を超す見通しになった。長期金利の低下(価格の上昇)を背景に、額面を大幅に上回る高値で国債を買っているためだ。政府機関の決算や会計を検査する会計検査院も「日銀は財務健全性の確保に努めることが重要」と懸念を示している。(後略)

少し解説しますと、現在、日銀はインフレ率を2%超に引き上げることを目的に、市中銀行が保有している国債を購入しています。購入規模は年間約80兆円程度です。

なぜ2%超に引き上げたいのかといいますと、インフレ率の上昇はデフレ脱却を意味するからです。

要するに黒田日銀は、デフレ脱却のために市中銀行から国債を購入しているわけです。これを量的金融緩和といいます。

日銀が市中銀行から国債を購入すると、市中銀行の資産である日銀当座預金におカネが積み上げられていきます。各市中銀行の日銀当座預金におカネが積み上げられれば積み上げられるほどに、市中銀行は貸出を増やしやすい環境になっていきます。

ところが、市中銀行がどんなに貸出やすい環境になったところで、おカネを借りてくれる企業なり個人がいないことには貸出は増えません。

現に、市中銀行の貸出は増えていません。

%e9%87%91%e8%9e%8d%e6%a9%9f%e9%96%a2%e3%81%ae%e9%a0%90%e8%b2%b8%e6%af%94%e7%8e%87%e3%81%ae%e6%8e%a8%e7%a7%bb

そりゃぁ、そうですよね。なんてったってデフレですから。

デフレで商品の売れ行きが伸びないなかで、企業が設備投資などする必要はありません。一方、家計だってデフレで実質賃金が上がらない状況下です。借金してまで消費する積極的マインドなどあろうはずもありません。

とはいえ、いかに貸出が増えずとも、市中銀行は何らかの手段で資金(預金)を運用しなければなりません。でないと預金者に金利を払えませんし、生業としても利益が上がらない。

結局のところ、市中銀行は日本政府の借用証書たる「国債」で運用せざるをえないわけです。

ところが、政府がバカみたいに「プライマリー・バランスがぁ~」とか言って緊縮財政を貫いて国債を発行しないものだから、国債金利がマイナスになるほどに国債の価値が上がってしまったのです。

%e6%b0%91%e9%96%93%e9%8a%80%e8%a1%8c%e3%81%ae%e5%9b%bd%e5%82%b5%e4%bf%9d%e6%9c%89%e9%a1%8d%e3%81%ae%e6%8e%a8%e7%a7%bb

市中の国債が不足すれば国債の価値が上がって金利が下がるのは当然です。

金利がマイナスの国債(金融資産)を購入するということは、即ち最終的に損をするということです。

ではなぜ、そんな国債を市中銀行は購入するのでしょうか?

それは、日銀が最終的に割り増しで購入してくれるからです。即ち、今や国債が投機商品になっているということです。値上がり期待(キャピタルゲイン狙い)で購入することを投機といいます。

その割り増し分が、記事でいうところの日銀の含み損ということです。日本経済新聞および今朝のテレビ番組のエコノミストは、「それが問題だ」と危機を煽っているわけです。

とはいえ、「だから何なの!」という話でもあります。確かに日銀の含み損です。ですが、その含み損によって日銀のバランスシートが多少大きくなるだけの話しであって、いったいそのことに何の問題があるのでしょうか。それによって日本政府が財政破綻するとでも言いたいのでしょうか。するわけないでしょ。

まったくもってバカげた話しです。

会計検査院にしても、日銀の含み損がそんなに気にくわないのであれば、文句は建設国債を発行して財政出動しない政府(安倍内閣)に言うべきです。

ふつうに建設国債を発行すれば、国債金利はマイナスなんかになりゃしません。ふつうに財政出動すればインフレ率も上がりデフレ脱却に向かいます。

問題の本質に迫ることもできず、危機を煽るだけ煽って正しい解決策を示すことのできない専門家および専門紙。そんなのばかりが跋扈する今日この頃の日本国です。