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議会報告 川崎市政

新自由主義はインフラの敵2016/11/13    

大統領選に勝利したトランプ氏は、その選挙戦において、疲弊した米国のインフラを再建するための投資を公約にしていました。

米国土木学会によれば、米国にある橋の25%が構造的欠陥を抱えているか、もしくは老朽化していて、2013年を基準にすると、建設されてから平均で42年が経過し、しかも建設時の想定を大幅に上回る負荷の交通量に耐えているのだといいます。

むろん橋だけでなく、米国のインフラ全般が大きな問題を抱えているのだとか。

道路は渋滞するうえに、あちらこちらに穴があいていて、2014年、都市生活が勤務途上で交通渋滞に巻き込まれる時間は年42時間、1984年の年20時間の倍以上に増えてしまったといいます。

延べ時間でみると、米国人は年間70億時間近く渋滞に巻き込まれ、金額にして1,600億ドル相当、30億ガロン以上のガソリンを浪費しているのだそうです。

ブルッキングス研究所のアーロン・クライン経済研究フェローは、これらの要因について、「連邦政府が十分なインフラ投資を行ってこなかったことが根本原因である」と、言い切っています。

さらに驚かされたのは、アーロン・クライン氏によると、連邦政府のインフラ整備に向けた投資がピークに達したのは戦後のアイゼンハワー大統領の時代だったとのことです。

それに追い打ちをかけたのが、80年代以降の新自由主義(グローバリズム=株主資本主義=新古典派経済学)政策です。

新自由主義というのは、ほんとに恐ろしいものです。

国民生活を守り、国民経済の生産性向上を図るためのインフラ投資を怠り、ただただ株主利益を最大化するため、ひたすらに財政均衡主義小さな政府を追及するのですから。

新自由主義はその基本思想から政府という存在を否定します。そのくせ、自分たちの利益を最大化するためなら平然と政治(政府)に介入してきて、彼らにとって都合のいいようにルールを変更(主として規制緩和)するわけですから、まったくもって質の悪い連中です。

90年代後半から、我が国においても新自由主義的政策が採用され(小泉内閣時代に一気に加速しました)、インフラ投資が抑制されてきたのです。

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我が国の建設投資は、グラフのとおり、1996年がピークです。

因みに、川崎市の土木費の推移をみますと下のグラフのとおりなのですが、2003年時点ですら既に低い水準なのです。

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このように、90年代後半以降、公共投資を抑制してきた日本国においてもインフラ施設の老朽化が急速に進んでいます

『陥没…「どこでも起こりうる」 インフラ老朽化、相次ぐ事故
http://www.sankei.com/affairs/news/161109/afr1611090003-n1.html

JR博多駅前の大規模な道路陥没は、地下鉄延伸工事の影響でトンネル内に地下水が流れ込んだことが原因とみられる。インフラの老朽化が進む大都市などでは陥没が相次いでおり、専門家は「どこでも起こりうる」と警鐘を鳴らす。(後略)』

政府によるインフラ投資は国民生活を守るだけでなく、国民経済上における生産性の向上のためにも必要です。

例えば道路網の整備は、必ず物流の生産性向上をもたらします。首都高速中央環状線は未だ20%程度しか完成していませんが、その20%が開通されたことで、既に都心環状線の交通量の5%が減少し、なお都心環状線の渋滞の50%が解消されています

また現在のような需要不足のデフレ期においては、需要を創造する経済対策にもなります。

インフラへの投資(公共投資)は、それだけで既にGDPの立派な需要項目の一つなのです。GDPが増えないと税収は増えません。