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議会報告 政治・経済

新自由主義で米国は退潮した!?2016/11/03    

1970年代、オイルショック等の問題もあって世界経済は低迷しました。

我が国がそうであったように、米国でも英国でも失業率とインフレ率がともに上昇していくスタグフレーションなる不況に見舞われました。

そこで登場したのが新自由主義(ネオリベラリズム)です。即ち、ジョージ・ソロスが言うところの、いわゆる市場原理主義(マーケットファンダメンタリズム)に基づく経済政策ですが、その経済政策とは構造改革でした。

具体的には、自由化、民営化、規制緩和、小さな政府化、財政均衡主義、そして究極的にはモノ、ヒト、カネの国境を越えた移動の自由を最大化していくことです。誰のために?・・・グローバル投資家グローバル企業のために。

まず1980年代に入って英国でサッチャーが先陣をきり、次いで米国でレーガンが取り組むことになりました。そうです。サッチャーリズムもレーガノミクスも、要するに構造改革なのです。

結果、どうなったのか。

例えば、英国も米国も株主資本主義に染まっていき、労働者の実質賃金は上がらなくなり、とりわけ製造業から衰退していきました。

また、意外に思われるかもしれませんが、米国では1980年代からベンチャー企業の開業率は低下してゆき1970年代に比べて今や半減しています。

今日、我が国でもベンチャー企業の開業率の低さが問題になっていますが、それは1980年代以降の米国の経済政策を真似しているからに他なりません。

更には新自由主義の採用で、むしろ市場の硬直化・寡占化が進んでいます。

最も深刻であったのは、新自由主義に基づく構造改革が企業の株主利益を最大化させるための政策であったことから、それらによる弊害として企業の研究開発投資人材投資設備投資などの一連の投資が削られていったことです。

自然、技術革新力は衰え生産性が低下していきました。生産性の低下は実質賃金の低下を意味します。

1980年以降の米国の経済成長率の推移をみると、下のグラフのとおりです。

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グラフの近似曲線(赤い点線)をみますと、ご覧の通り右肩下がりです。

ネオリベたちが言ってきた「新自由主義は経済を成長させる!」というのが嘘であったことがわかります。新自由主義(株主資本主義)はむしろ成長率を低下させてきたのです。

1990年代に入ると、新自由主義と株主資本主義は我が国を含めて世界に伝播していきました。

新自由主義の世界化というグローバリズムによって、米国はもちろん、EUにおいても我が国においても、労働分配率は低下し実質賃金が下落していった一方、金融資産を運用するグローバル投資家たちの投資収益が増えていったことで格差が拡大していきました。

ジョセフ・スティグリッツ教授が言うところの「1%」 vs 「99%」の世界です。

トマ・ピケティが言うところの「r>g」の世界です。

この衰退のシステム、新自由主義に基づく構造改革を我が国は殊更に進めています。