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議会報告 川崎市政

それでもトランプが善戦する理由(わけ)2016/11/02    

アメリカ大統領選で、けっして品性において優れているともいえず、その演説においても知性を感じさせず、あれだけのスキャンダラスな報道で支持率を落としていた共和党候補のトランプ氏ですが、ここにきて再び勢いを取り戻しています。

『米大統領選、トランプ氏支持率がクリントン氏を逆転=WP/ABC
http://jp.reuters.com/article/us-election-poll-idJPKBN12W55N

米ワシントン・ポスト(WP)/ABCの最新の世論調査によると、米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏と民主党候補ヒラリー・クリントン氏の支持率が逆転した。10月27日─30日に実施された調査によると、トランプ氏の支持率が46%、クリントン氏は45%でわずかながらトランプ氏が上回った。(後略)』

なぜ、トランプ氏が?・・・と、日本のマスコミらには腑に落ちない現象にみえるのでしょうが、それだけ現在のアメリカにはグローバリズム(株主資本主義)に対する不満や格差への怒りが鬱積している、ということなのではないでしょうか。

トランプ氏の主張は明らかに反グローバリズムです。

対するクリントン氏は従来のウォール街路線です。よって、反グローバリズム vs グローバリズムの継続、という選挙の対立構図になっているのでしょう。

例えば日本でも、企業の配当金と労働分配率の推移をみますと、下のグラフのとおりになっています。

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2000年以降、あきらかに労働分配率(国民所得に占める雇用者報酬の割合)は下がりはじめ、企業の株主への配当金が上がりはじめて、グラフ的には2004年に逆転しています。

日本では90年代から新自由主義(グローバリズム)に基づく株主資本主義政策がとられるようになりましたが、アメリカでは既に80年代から始まっています。いわゆるレーガノミクスです。

ジョージ・メイソン大学のタイラー・コーエンという経済学者によれば、アメリカの実質賃金は70年代から横ばいが続いているようです。でもアメリカのGDPは僅かながらにも成長しています。即ち、その成長分はいわゆる「1%」 vs 「99%」でいうところの「1%」の人々(グローバリスト)たちが取り込んできた、ということでしょう。

加えて、メキシコ国境から低賃金労働者が怒涛の如く流入しアメリカ人の実質賃金が益々下がっていく一方、その流入が犯罪率の高まりの要因だということから「99%」側のアメリカ人の不満が鬱積していったのも頷けます。

トランプ氏の主張が、そうしたアメリカ人たちの不満と怒りの受け皿になっているのでしょう。

注目すべきは、もしもトランプ氏がアメリカ大統領になったら、いよいよグローバリズムの行き詰まりが全世界に連鎖していくことになる点です。

トランプ氏は、これまでのようなアメリカの世界への関与を改めて、アメリカ一国(アメリカ国民)の利益を追求するアメリカン・ファーストを提唱していますので間違いありません。覇権国なくしてグローバリズムは成立しないのですから。

でも、川崎市長によれば「これからの世界はグローバル化が加速する」のだそうです。

現状分析を誤ると戦略を誤ります。市政が戦略を誤れば、当然のことながら政策を誤ることになります。そして最後に、政策を誤って不幸になるのは市民です。