〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 政治・経済

投資を疎かにするグローバリズム2016/11/01    

ヒト、モノ、カネの国境を越えた移動の自由、それがグローバリズムの定義です。

よってグローバル企業(とりわけ製造業)は、常に安い労働力を求めて資金を移動させます。

例えば、低賃金労働力地帯をみつけては、対外直接投資(外国に工場などの生産施設をつくるなど)を行いローコスト商品を大量生産します。

そこで生産されたローコスト商品がまた大量に国境を越えて世界中の市場に出荷されることになります。なので、グローバリズムが進めば進むほどに世界のあちらこちらでデフレ圧力がかかります。

またグローバリズムの目的は、主としてグローバル投資家たちの利益の最大化です。

彼らの利益を最大化するための政策こそが、これまで日本においても進められてきた構造改革(規制の緩和及び撤廃、自由化、民営化、緊縮財政、関税撤廃等の自由貿易)です。

そして、グローバル企業の経営者たちが、グローバル投資家たちの利益を最大化するために正しい経営を行っているかを監視するための仕組みがコーポレート・ガバナンスです・・・人件費を安く抑えろ!・・・四半期利益を最大化しろ!・・・いつ利益になるかわからない開発投資は控えろ!・・・とにかく株主への配当原資である純利益を増やせ!・・・というように監視するための仕組みです。

長引くデフレで需要低迷が続いていることから、ただでさえ企業は投資を控えがちです。

加えて、四半期利益に直結しない投資への抑制圧力がかかりますので、グローバリズム社会では投資の拡大は見込めません。

企業が技術開発投資や設備投資を怠れば、生産性向上のための技術革新は見込めなくなり、国家としての安全保障さえも危うくなります。例えば、東レの炭素繊維は、その開発から商品化までに約60年を要したといいます。また1990年代のIT革命もしかりで、1960年代の段階で既にコンピューターが開発されていたからこそ成しえた技術革新だったのでしょう。技術開発投資とはそういうものです。

要するに技術開発投資を怠れば、こうした高度な技術革新や知的財産を創出する力が衰えるということです。それは即ち国力及び経済力の低下です。

そこで、政府の公的固定資本形成(概ね公共投資から用地買収費等を差し引いたもの)と民間企業設備投資の推移をみてみます。

%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ae%e6%8a%95%e8%b3%87%e6%8e%a8%e7%a7%bbグラフのとおり、我が国は1998年にデフレに突入して以降、国も企業も投資を減らし続けてきました。

そこで、下のグラフのとおり、各国のGDPに占める総投資額比率を比較してみます。

gdp%e3%81%ab%e5%8d%a0%e3%82%81%e3%82%8b%e7%b7%8f%e6%8a%95%e8%b3%87%e9%a1%8d%e3%81%ae%e6%af%94%e8%bc%83%ef%bc%88%ef%bc%85%ef%bc%89

シナ経済は少し特殊で、住宅や設備など固定資産投資がGDPの40%から50%にも達するという過剰投資国なのです。しかし彼の国も今やデフレに突入しつつあるようで、その落ち込みを更に投資で支えている状態です。

注目すべきは、赤い折れ線グラフの我が国です。

日本は1996年以降、他の国々に比べて5ポイント程度も比率を低下させています。日本とシナを除く各国は均すとほぼ横ばい状態であることから、我が国の総投資額は絶対的にも総体的にも減ってしまった、ということになります。

おそらく日本とシナを除く各国では、グローバリズムによって企業の設備投資が減っているものの、政府による公共投資を拡大することでそれを補い、総投資額としては横ばい状態にしているのではないかと思います。

要するに公共投資をやっていないのは我が日本国だけ!

という話しなのではないでしょうか。