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議会報告 川崎市政

社会保障の財源2016/10/20    

もしも2014年4月の消費税増税(5%→8%)がなければ、今ごろ我が国はデフレ経済から脱却していた可能性が大です。

2014年4月以降、我が国の個人消費(民間最終消費支出)は、下のグラフのとおり明らかに落ち込みました。見てのとおり歴然です。

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これを増税前の水準にもどすためには、個人消費分だけでも10兆円のデフレギャップを埋めなければならない状況に追い込まれました。

もし、この10兆円の減がなければ・・・

と、心底より失政を憎みます。

なぜならば、下のグラフのとおり企業と家計の資金過不足の推移をみると、リーマン・ショック以降、明らかに資金過剰から資金不足に向かっていたからです。

資金過剰から資金不足?・・・・・

少し説明が必要になります。

例えば、デフレで需要が不足すると、企業は投資資金などおカネを使う必要がなくなりますので資金過剰になります。逆に、デフレが解消され需要が増えると、企業は投資資金などおカネを使う必要が生まれますので今度は資金不足になります。これはストックの話ではなくフローの話です。即ちフローで見ると、リーマン・ショック以降に企業も家計もおカネを使う方向に向かっていた、ということを意味しています。

下のグラフのとおり、2010年以降、企業(非金融法人)や家計の資金過剰が減っています。

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因みに、政府は資金不足が2010年以降に減っていますので、いかに安倍政権の財政政策が緊縮だったのかが解ります。

要するに、せっかくデフレ脱却に向かいつつあったのに、自民党政権は消費税増税(5%→8%)で約10兆円もの需要を激減させデフレ脱却のチャンスをぶっ潰したのです。

これらの事実を踏まえて、川崎市議会自民党さんの市政報告を拝見したいと思います。

ウェブサイトで、自民党川崎市議団『川崎市議団NEWS平成28年第2回定例会』をみますと次のように書いてあります。
http://xn--n5qu8klzfwxalfk44fu48ao6p.jp/news2807.html
『市長は、今定例議会において消費税率引き上げの延期で、社会保障の充実、安定化に向けた財源の確保が見通せなくなったと答弁しました。影響額については、法人市民税の国税化が行われなければと仮定して、約30億円の減収との試算を発表しました。
市長は、一方で、市長が一から作成した川崎市のマスタープランである総合計画の見直しはしないとの見解を示し、それに伴って作られる実行計画については、適切に反映し、実効性を確保していくと答えています。消費税分の30億円が入ってこない中で、社会保障の充実に向けては、その実効性を確保していくということは矛盾しています。本来なら、国の施策変更の影響を受け、市の施策も素直に変更することも出来るのですが、その様な答弁はありませんでした。(後略)』

赤字部分にご注目。

要するに「消費税増税(5%→8%)が延期されて約30億円が減収になったんだから、社会保障を充実するのは厳しいんじゃねぇ!」だから「川崎市の計画も変更しろよ!」と言っています。

突っ込みどころはたくさんありますが、とりあえず一点だけにしておきます。

いい加減に、社会保障の財源を消費税に求める発想は捨ててほしい。

厚生労働省は、日本の社会保障費の伸び額を年間1.2兆円としています。即ち、毎年1.2兆円増えていくと言っています。だから財務省も消費税の再増税が必要だ、と言っているわけです。

しかしながら、税収弾性値というのがありまして、名目GDPが1%成長するだけで、税収も○○%増えることになります。この事実があまりにも知られていません。

経済が成長することで、所得増になる人が増えたり、それまで働いていなかった人たちが働きだしたり、それまで稼働していなかった工場が稼働しだしたりしますので、税収は自然に増えるのです。

税収増加率  GDP成長率 × 税収弾性値

藤井内閣官房参与によれば、現在、税収弾性値は「3」~「4」とのことです。

仮に「3」とすると、もしデフレを脱却して名目GDPが2%成長したとします。現在の税収が約50兆円ですので、税収は3兆円増えることになります。社会保障費増額分の1.2兆円など簡単に賄えますし、しかもお釣りがきます。

下のグラフのとおり、名目GDPが下がれば税収伸び率は下がり、名目GDPが上がれば税収伸び率は上がるのです。

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先述のとおり、もしも消費税を再増税すれば、更に消費や投資が落ち込むことになりデフレを脱却することができません。よって、消費税はむしろ減税か凍結が必要です。

何よりも、消費税で社会保障を賄うという財務省式の発想を捨てないかぎり、我が国は永遠に社会保障を充実することができません。