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議会報告 政治・経済

政治家の主張にはそれなりの背景がある2016/09/07    

「世界にうってでる攻めの農業」

「TPPは平成の開国」

「日本はアジアの成長を取り込むべき」

 というキャッチフレーズを、どなたでも一度はお耳にされたことがあろうかと存じます。政治家たちもよく使っているキャッチフレーズです。

 これらのキャッチフレーズを考えつくりだした人たちがいます。いったいどのような人たちなのかご存じでしょうか?

 それは・・・戦略国際問題研究所(CSIS)です。

 CSISは米国のワシントンD.C.に本部を置く一応は民間のシンクタンクで、日本に新自由主義的(グローバリズム的)な政策を実行させるために様々な情報工作を行っています。

 新自由主義的な政策、グローバリズム的な政策というのは、いうまでもなく各種の構造改革のことです。構造改革というのは各部門の規制緩和や民営化、あるいは派遣法改正等にみられる正規社員の非正規化、さらには発送電分離、TPP、農協改革(農協解体)等々です。

 構造改革は悉く日本国民の生活上の安全保障を脅かし、その利は主として外資を中心としたグローバル企業・投資家らが獲得することになります。

 例えば、農協を民営化(解体)することで、確実に特定の外資が利益を受けることが可能になります。

 あまり報道されていませんが、昨年の通常国会では、安保法案成立の裏で農協法とその関連法が農協改革の名のもとに既に改正されています。

 因みに私はいわゆる「農林族」ではありません。別に農協から選挙の応援も受けていませんし、親族に農業従事者がいるわけでもありません。

 ただ、日本国の地方議会議員として、我が国の食料安全保障を崩壊させる改革(改悪)に断固として反対しているだけです。

 歴然たる事実として、農協は我が国の食料安全保障を担っています。

 例えば、全農の100%子会社である全農グレインは、ロサンゼルスに本社を構え、米国産の穀物を大量に日本に輸出していますが、農協は米国の農家と個別契約をして種子の選定から生産・流通に至る各段階において徹底した管理を行うことで(IPハンドリング)、安全な穀物と遺伝子組換え作物を選別しています。

 そのことにより遺伝子組換え作物の日本への野放図な輸出を防いでくれています。

 ところが、その全農グレインの存在を疎ましく思っている連中がいます。それが米国のカーギルやモンサントです。彼らは遺伝子組換え作物の全面的輸出を目指しているのですが、全農グレインの親会社たる全農が協同組合なので買収できないでいます。

 そこで米国は、全農を株式会社にするための農協改革を日本政府に提言しているわけです。またCSISは日本国内の世論工作という対日戦略の一翼を担っているわけです。

 推察するに、米国及びCSISの戦略はこうです。

 全農の株式会社化を可能にする  単位農協の理事の過半数を全農の株式会社化に賛成する経営者にする  TPPなどの国際協定で後戻りさせない「ラチェット規制」を埋め込む  米国の巨大穀物会社等の外国資本に全農を買収させる 

 むろん、最終的には農協を解体することで、農林中金やJA共済などの巨大資金を取り込むことが目的なのでしょう。

 先述のとおり、昨年の通常国会の農協法の改正により、既に全農を株式会社化することは法律上可能になっています。

 もしも多くの日本人が現在進められている農協改革に賛成しているのだとすれば、まさにCSISの工作効果かと思われます。

 実は、このCSISの研究員として活躍されていた現職の国会議員がいます。当然、この方は国政の場において「農協改革」を強く推進しておられます。

 さて、誰でしょう?

 ・・・小泉進次郎(衆議院議員)です。

『小泉氏vs全農「秋の陣」 農業改革の議論再開
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO06957800X00C16A9EA1000/

自民党は6日、7月の参院選で中断していた農業改革をめぐる議論を再開した。焦点は農薬など生産資材の国内流通や農産物の販売をほぼ独占する全国農業協同組合連合会(JA全農)に、資材価格の引き下げや流通構造の見直しをどこまで迫れるかだ。踏み込んだ改革には農林族議員らの反発も強い。11月の改革案とりまとめに向けた攻防が本格化する。(後略)』

 上の記事は「全農が農薬など生産資材の国内流通や農産物の販売を独占して儲けているのがけしからん」と言いたげですが・・・

 しかしながら、農協三事業(金融事業、保険事業、商社事業)は、全農(商社事業)の赤字を農林中金(金融事業)とJA共済(保険事業)の黒字で賄うことで成立しており、またそのことで日本の食料安全保障は担われています。

 もしも全農が存在しなかったら、私たち日本国民はもっと高くて品質の低い農作物を市中で購入させられていることでしょう。

 ともかくも、CSISと結託するメディアは農協改革に反対するものたちに「利権派」「守旧派」のレッテルを貼りつけ、日本の食料安全保障を担っている農協の役割については一切触れようとしない。

 郵政民営化のときもそうでした。

 郵政民営化なる改革で、いったいどのような国民利益がもたらされたでしょうか。

 全国の郵便局でアフラックの保険商品が販売されるようになった以外に何かありましたっけ?