〒214-0012
川崎市多摩区中野島3-15-38-403
TEL:044-934-3302 / FAX:044-934-3725



議会報告 未分類

デフレ前提の与党、デフレ容認の野党2016/07/10    

 年金積立金管理運用独立行政法人、いわゆるGPIF。国民の積み立てた年金、約140兆円をその名の通り管理運用しています。

 そのポートフォリオ(運用構成比率)をみますと、第二次安倍内閣以降、株式での運用比率が高まりました。

GPIF運用資産別の構成割合

 上の円グラフは昨年末時点の比率ですが、昨年度だけで5兆円の損失を出したようです。政府は参議院選挙が終わってから運用状況を公表するそうです。

 あのアメリカさえ年金を1円たりとも株式で運用することなどしないのに、いよいよ日本も来るところまで来たなと思っていましたが案の定です。

 これをうけ、先日のテレビの討論番組での某自民党代議士の言いぐさが凄い。

「株ですから、損するときもありますが得するときもあるんですよ」

 まるで自分のお小遣いで公営ギャンブルか何かを楽しんでいるかのようなセリフ・・・

 あるいは、

「だって国債利回りがマイナスにまでなっているんだからしょうがないでしょ」

 とも・・・

 ちょっとまってくださいよ、先生! 国債金利のマイナス状態が前提なんすかっ? マイナス金利という異常事態を解消することが先決なんじゃないんすかっ? と、突っ込みを入れたくなるわけですが、その討論番組では、そうした野党側の突っ込みはなし。

 よく聞いてみると、結局は野党側も国債金利がマイナスになっている理由がよくわかっていないのです。

 民進党も相変わらずで、挙句の果てに口を開けば(確か、長妻代議士だったかと)、

「無駄な公共事業を減らして、福祉分野での分配を充実させれば経済は成長します」 

 という始末です。

「無駄」というなら、まずは無駄の定義を明確にしろよっ!と言いたくなるわけですが、まずは話を整理します。

 要するに、政府が適切なデフレ対策をうってこなかったがために国債金利が今やマイナスになっています。

 なので、国債での運用利回りを稼ぐことのできないGPIFはやむをえずリスク性の高い株式での運用を迫られた、という言い訳話になっているわけです。

 だったら、はやくデフレを克服して国債の運用利回りを回復すればいいだけの話です。自分たちの愚策で国債金利を下げておいて、結果として国民の貴重なる年金をグローバル投資家に差し出すとはいかなる了見か。

 そのデフレ脱却を妨げているのが、先の「公共事業は無駄」論です。こうした手合いは今や公共事業無駄教信者といっても過言ではないですね。

 日本は1990年代後半まで建設投資が旺盛でしたが、そこから右肩下がりになります。そのボトムが「コンクリートから人へ」を標榜した民主党政権時代です。公共投資が削られ、デフレも同時進行し、官需、民需ともにひどく落ち込んで大きなダメージを受けました。建設投資額はピーク時の1992年度の84兆円から、2015年度は48兆円まで落ち込みました。
 結果、税収がなかなか伸びないなか社会保障費がふくらみ、政府は公共投資を削った分を社会保障費に献上したのですがデフレギャップは全く埋まりませんでした。そしてデフレが埋まらないがためにまた税収が減ってしまう、という悪循環になっています。

 論より証拠で、グラフを掲載させて頂きます。

建設投資(名目値)の推移

 上のグラフのとおり、日本の建設投資のピークは1996年度です。1997年度以降、一貫して建設投資を減らしました。そのことが、1998年以降のデフレと税収不足の主因です。

1998年以降、デフレに突入した日本

 デフレが継続した結果、長期金利(10年物国債利回り)の推移は下のグラフのとおりです。

日本の長期金利の推移

 与党に言わせると、「だから年金積立金を株式で運用する必要がある」のだそうです。

 詰まるところ、与党も野党も話が本末顚倒なのです。

 本日は参議院選挙の投票日です。今回、「支持政党なし」という新政党が選挙区や比例区からでています。なんでも固有の政見・政策は一切もたないそうで、法案や案件ごとにネットでアンケートをとって国会での採決にのぞむのが党是だそうです。

 その姿勢の善悪はともかく、マスコミの事前調査によれば比例区で1議席を獲得するかしないかの勢いだそうです。このことは、いかに既存政党に対する国民からの信頼が揺らいでいるのかの極めて重い証左ではないでしょうか。

 既存政党は与野党をとわず、ほんきで日本の政治のことを考えないと、あるいは考えている人の意見をまじめに聴かないと、やがて消滅することになりますよ。

 ま、日本国さえ繁栄すれば、政党なんて消滅しても一向に構わないんですけど。