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議会報告 未分類

政府試算は客観的か2016/03/11    

 今年の2月、川崎市財政局は『今後の財政運営の基本的な考え方(案)』を策定し、平成32年度までの財政収支フレームを示しました。

 ところが、その算定根拠として、内閣府の『中長期の経済財政に関する試算』にある経済成長率や消費者物価指数が使用されています。

 そこには、「経済再生ケース」、あるいは「ベースラインケース」のそれぞれのケースの試算があるのですが、いずれもその数字はあまりにも実態とかけ離れています。

 例えば、内閣府の試算(ベースラインケース)でみると、平成27年度の予測GDP成長率は1.5%増、消費者物価指数は0.6%という想定になっています。

 ご承知のとおり、現在の経済情勢はプラス成長どころか、1-3月期の結果次第では2年度連続のマイナス成長となる公算が高くなっています。

2年度連続のマイナス成長か!

 この1-3月期によほど頑張らないと、本年度のマイナス成長は確定です。

 一方、本市財政局が前提としている内閣府の消費者物価指数をみても、2014年度は2.9%を想定していましたが、日銀が指標としてきたコアCPIベースでは1.1%でした。しかもこれは、消費税増税を含めての数字です。

 2015年度の消費者物価指数の想定値はやや控えめにして0.6%とされていましたが、それでも実数値は0.1%でした。

 地方自治体という性質上、政府の試算を客観的基準にせざるをえない事情も解らないわけではありませんが、時の政権の意向をうける政府試算のみを基準にしてしまうことはむしろ著しく客観性を乏しくすることになります。

 このように内閣府試算のベースラインケースですら極めてお花畑的な予測値であるなか、来年4月には消費税の再増税が既定路線として確定しています。

 現に安倍総理は国会答弁でも「アベノミクスは失敗していない」と断言され、「リーマンショックや大震災のようなことが起こらなければ予定通り増税する」と述べておられます。

 しかし・・・

消費増税により縮小した家計消費

 上のグラフのとおり、2014年4月の消費増税の結果、明らかに家計消費は落ち込んでいます。

 さらには・・・

民間最終消費支出

 民間最終消費支出(個人消費)をみると、増税前のピークから2015年には6.7兆円も落ち込んでしまいました。

 さらに実質賃金をみると・・・

実質賃金指数

 このとおり、アベノミクス以降に5%以上も下げています。おそらくこれは歴代内閣の中で最低記録かと思われます。

 このように・・・平成24年4月の消費増税の結果、明らかに経済実態は悪化しており、更なる悪化が危惧されています。

 ところが、先述のとおり、内閣府の経済見通しは順調にプラス成長するというものです。それを前提にして策定された川崎市の財政収支フレームも当然のことながらお花畑見通しにならざるをえません。

 地方分権を叫ぶのであれば、時の政権の意向を反映しない経済見通し、即ち自治体としての独自の経済見通しを策定し、それを根拠とした現実性の高い財政収支フレームを示すことが必要だと思います。川崎市のみならず、他の地方行政も同様です。

 そうでないと、計画と実態に大きな乖離が生じ、行き当たりばったりの財政運営となってしまいます。

 そのためにはまず、それぞれの地方自治体組織において、国民経済を科学的に分析できる人材を育成しなければなりません。