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議会報告 02 政治・経済

誰がためのチーフエコノミスト2016/02/29    

 よくテレビを観ていると、○○証券の○○チーフエコノミスト・・・とかいう肩書で、いかにもご尤もそうな経済解説をしている人がおられます。

 大手の証券会社!…しかもチーフエコノミスト!

 とか言われると、この人は経済の専門家だから詳細な分析のうえで適切な発言をしているのだろう、と思われがちです。

 ところが、ところが、意外にもその多くがけっこうデタラメ、いや大分デタラメなのです。

 今朝のテレビ番組でも以下のような発言がありました。

 司会者がデフレを克服できない理由を質問すると、

「金融緩和だけでは生産性は上がらないんですよ」と、そのチーフは自慢げな顔で解説していたのですが・・・

 デフレとは生産(供給)過剰・需要不足のことを言うんですよっ、って誰かチーフに教えて差し上げたほうがいい。

 驚くことに、このチーフは現在のデフレを生産性不足と認識しており、生産性不足はインフレ、という初歩的なことすらも理解していないのです。

 司会者がこのチーフに対して「では、金融緩和以外に何をすればいいのでしょうか?」と質問すると、「ええ、やはり構造改革ですね」という回答。

 ・・・

 ここでいう構造改革とは、むろんアベノミクス第三の矢であり、いわゆる新自由主義派(新古典派といってもいいし、グローバリズム派といってもいい)のいうところの構造改革です。

 デフレ期に、この手の構造改革をもろに進めてしまうと、余計にデフレ化します。いま長期金利がマイナスに転じているのはそのためです。

 なんで、そんなインチキな解説者がまかり通るの?

 と思われる方もおられるでしょう。

 実は、デフレが継続するということは、グローバル投資家やグローバル企業など、いわゆるグローバリストたちにとって都合のいい話であり、先ほどのチーフも彼らにとっては都合のいい小間使いなのです。

 以下のブルームバーグの記事をご覧ください。

『日本の株主還元、15年度過去最高へ-マイナス金利が資金活用呼び水も
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O34WPS6S972F01.html

自社株買いと配当を合わせた国内上場企業の株主還元が、2015年度に過去最高を更新する見通しだ。政府主導でコーポレートガバナンス(企業統治)改革の流れが加速し、資本効率の向上など企業に対する投資家の要求が強まっている。また、日本銀行のマイナス金利導入で潤沢なキャッシュを内部留保する合理性が一段と薄れそうで、株主還元強化の呼び水になる可能性がある。(後略)』

 グローバリズムの最大の問題点は株主還元ばかりが重要視され、実質賃金が上がらないことです。現在、世界的な傾向として実質賃金が上昇していません。

 実質賃金が上昇しなければ消費(需要)は増えませんので、企業の設備投資も増えません。金利を下げても貸出が増えないのはそのためです。

 下のグラフのとおり、可処分所得と消費支出の推移はほぼ相関します。

可処分所得と消費支出の推移

 既に市場の国債が不足し、これ以上の量的緩和が不可能になった日銀は、ついにマイナス金利政策をとりました。このことにより運用先に乏しい金融機関が、いずれ預金者にその負担を押し付ける可能性があります。

 結果、預金者の消費マインドはさらに引き締まることになります。

「デフレは需要不足ですので財政出動しないとダメなんです」

 というまともなことを発言する解説者は、なかなかテレビに出演させてもらえないのが現在の日本の実状です。