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議会報告 未分類

大気汚染と喘息(ぜんそく)の相関性について2014/10/12    

去る6月議会にひきつづき、9月議会においても、大気汚染と喘息との関連性についてとりあげました。

以下の図をご覧ください。(図をクリックすると拡大されます)

川崎市のぜん息患者素と二酸化硫黄濃度

この図は、去る5月、『日本職業・環境アレルギー学会』が発行している学術雑誌に掲載された論文のもので、本市の喘息罹患率(右肩上がりの黒い実線)と大気中の二酸化硫黄(SO2)濃度(右肩下がりのカラーの実線)の経年変化を示したものです。

この論文によれば、黒い実線の破線部分の年は別の調査のため喘息罹患率は算出されておらず、喘息罹患率とは人口1000人あたりの喘息患者数のことで、人口の増減による影響を受けないため患者調査などで用いられている優れた指標とのことです。

図をみれば一目瞭然ですが、工場が主な発生源とされている二酸化硫黄(SO2)濃度と喘息罹患率との間に相関性が見られないという衝撃的な調査結果です。

実は、平成23年3月に発表された神奈川県委託研究事業「気管支ぜん息患者 神奈川県下実態調査報告書」でも、平成18年から平成22年までの間、

「環境要因は一貫して改善傾向にあり、気管支ぜん息と大気汚染との関係を明確に示す状況は認められていない。むしろ、若年層での患者の増加傾向や低濃度地域での患者数の増加傾向などがあり、いわゆる自動車公害とは別のハウスダストなどの要因が示唆される結果ともなっている」

という調査結果が出ています。

また、平成23年5月に発表された国の「局地的大気汚染の健康被害に関する疫学調査」、いわゆる「そらプロジェクト」では、①幼児調査と成人調査については、大気汚染と喘息発症との間に有意な関連性は認められなかった。②学童調査については関連性が認められたがその寄与度は不明である、という調査結果が既に示されています。

「そらプロジェクト」によれば、学童については有意な関連性はあるがその寄与度は不明、となっていますが、その寄与度は極めて低いものと推察されます。

なぜなら、大人になると多くが治癒するといわれる小児喘息の主因は、ダニなどのアレルギーによる、というのがもはや学会の定説といわれているからです。私も大人になって小児喘息が治った一人です。因みに、大気汚染と喘息との因果関係を証明する疫学調査などの調査結果や科学的データは存在しません。

あくまでも大気汚染が喘息の原因であると主張する人たちがいますが、相関性は因果関係の必須条件です。相関性がないままに因果関係を認めることはできず、また、科学に基づく正確な調査結果やデータを基盤とした正しい状況認識をもたなければ、直面する課題に対して正しく対処することができません。

昭和42年の段階において、1000人中4人しか喘息患者がいなかった川崎市。その後、大気汚染が改善されるに従って喘息患者が増えていますので、大気汚染を喘息の主犯とするのはだいぶ無理のある話しではないでしょうか。 

因みに、大気汚染の改善が大幅に進んだのは、昭和42年に制定された『公害対策基本法』、次いで昭和43年に制定された『大気汚染防止法』の成果であり、いわゆる「革新」市政が公害を克服したというのは虚構です。図をみても解るように、いわゆる「革新」市政(伊藤三郎市政)が誕生した昭和46年には二酸化硫黄(SO2)の汚染濃度は既に急速に低下しています。