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議会報告 未分類

尖閣諸島問題について2010/09/26    

 9月7日、尖閣諸島近海で中国の漁船が海上保安庁の巡視船に衝突するという事件が起きた。その衝突は、尖閣諸島の久場島沖西北12~15キロで起きたという。領海とは、その国の領土から22キロ以内をいう。尖閣諸島が日本固有の領土であることは言うまでもない。つまり久場島は日本の領土であるので、この中国漁船は領海侵犯を犯したことになる。

 海上保安庁は、漁業法に基づいて違法操業の疑いで取り調べようとし、逃走されたので追尾した。追尾したところ衝突され、公務執行妨害で船長を逮捕したという。

 しかし、那覇地検は政治的配慮からその船長を釈放してしまった。まことに遺憾である。国内法に反したものを国内法によって取調べ立件し裁くことができないのであれば、日本は独立国といえない。今回の那覇地検の判断は大きな問題にすべきである。むろん、その判断の背景には日本政府の指示があったことも否めない。

 さらに重要な点は、国防上の問題である。驚かざるをえない現実ではあるが、現在の海上保安庁や自衛隊には、領域警備のための任務とそれに必要な武力行使の権限が与えられていないのである。ゆえに今回も海上保安庁は、領海侵犯としてではなく、不法操業の疑いとしてしか取り締まることができなかった。それがわが国の現状である。このことは、これまでの政治の怠慢そのものだ。

 軍隊であろうが、民間人であろうが、不法に領海、領空に接近してくるものに対しては、「日本の領海(空)に無断で入ってはならない。それ以上進入した場合には武力をもって排除する」と警告し、それに従わない場合には警告射撃をし、それでも従わないときは、武力行使をしなければならない。ところが今の日本の法制度では警告射撃までしかできないのである。

 しかし、それはあくまでも警告射撃であって、その後の武力行使が認められていなければ警告の意味がない。海上保安庁や自衛隊に領域警備のための任務とそれに伴う武力行使の権限を与え、警告射撃の後、さらに進入してくる場合には、相手を撃沈、撃滅、撃墜してもらわなければならない。それによってはじめて、警告が警告の意味をなす。この撃沈、撃滅、撃墜のことを武力行使という。

 断っておかねばならないが、上記の武力行使は国際法で認められている。この国際法で認められている武力行使すら許されていないことが、わが国の国防上の最大問題である。

 おそらく中国は、軍艦を派遣して尖閣諸島を奪いにくることはしない。そんなことをすれば、結果として日本の同盟国・アメリカと衝突することになるからだ。そうならないために、これまでも中国本土の民間人を尖閣諸島に送り込み上陸を試みてきた。日本に対して攻撃さえしなければ反撃されることがないことを知っているからだ。こうして進入してくる中国民間人に対し、これまで海上保安庁はその都度警告して追い返し、上陸しようとした者については捕まえて強制送還してきた。

 しかし、数人の民間人なら対応できても、大量の民間人が一挙に押し寄せたとしたら、武力行使の権限をもたない海上保安庁や自衛隊では対応不可能である。日本が武力行使しなければアメリカも動けない。結果として、彼らの上陸を許すことになる。それを許せば中国の実行支配が既成事実化することになり、尖閣諸島とその沖合22キロの領海も、沖合370キロの排他的経済水域も完全に中国のものとなってしまう。

 そうならないために、一刻もはやく、海上保安庁と自衛隊に領域警備のための任務、及びそれに伴う武力行使の権限を付与しなければならない。このことは現行憲法を変えることなく、新たな法を整備することで可能である。